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「神椿市協奏中。」で君も神椿市を観光しないか/かりんとう

まあなんか崩壊してるみたいなんですが、皆さんはきっと滅んだ世界を歩くのも得意かと存じますので、気にせず観光案内していきますね。

神椿市協奏中。

きたる2024年8月末、こんなタイトルの音楽ゲームがリリースされます。
プラットフォームはAndroid/iOS/Steam/Switch/PS5と、思いつく限り全てのゲーム機で遊べます。しかも全機種同時リリースで!(すごい)

数年前ぐらいの私なら「花譜や可不が歌う曲が入るらしい」「フォニイやマーシャル・マキシマイザーがデフォルト収録されるらしい」といった、噂ぐらいなら聞いたことがある……そんな状態でこのゲームを迎えたと思います。 だが今は違う! KAMITSUBAKI STUDIOが、神椿市が、気になっている! だから協奏中。に対しても、すごく期待しているんです!!

“気になっている”の段階ではあり、どっぷりファン活動をしている訳ではないのですが……新参者なりに、公式の説明を少々お借りしつつ「このゲームどんな感じになりそう?」「そもそも神椿市って何?」「このゲームの中で歌ってる人達は結局何人いるの?」「で、この記事書いた人はどんな所に期待してるの?」という所を簡単にまとめてみました。ぜひお付き合いください。

ゲーム性とかの諸々

上記のトレイラーを見ただけでも分かりますが、音ゲーとしては一方向にノーツが流れるスタンダードな方式ですね。多くのプラットフォームでリリースされる関係上、ボタン操作が初めから想定されているのでタップとホールドが主な操作のようです。
4種類ある難易度と、一部楽曲の最上位難易度に設定されたGLITCH(3レーン以上同時にノーツが降ってくる、多指プレイを想定した)譜面により、歯ごたえも棲み分けも十分。

目玉はそのレーン数について……4レーンから最大7レーンまで、曲中にタップ範囲が変わっていきます
スマホ音楽ゲームなどで前例はありますが、突然操作するボタンが増えると思うとコンシューマ版では結構緊張する要素かも? この可変レーンは下の難易度にもある要素みたいなので、良い感じに楽しさに繋がるといいな、と願っています。

収録曲数はデフォルトで48曲以上。数で見るとかなり多く感じますが、このゲームに出てくるシンガーは10人いて、ユニット曲やデュエット曲も沢山あるので、これでもまだ足りないぐらいです。そして物足りない分を補う追加楽曲は、

「シーズンパス」を購入いただくことで、
毎月更新されていく追加パックを含めて100曲以上の楽曲を遊ぶことができる予定です。

とのこと。続報に期待しましょう。

ちなみに肝心要の譜面は、他のスマホ音楽ゲーム等での業務経験のある譜面制作士と、HARDCORE TANO*Cの協力の元で作られていると聞き安心しました(ありがとうございます)。
楽曲以外のシステムBGM・SE等はFeryquitousさんが制作していると聞きわかる…としか言えなくなりました。
音楽ゲーム自体にも期待している理由がここに詰まっています。

“建設中”のなかの“協奏中”

そもそも神椿市協奏中。とは、KAMITSUBAKI STUDIOがおくるIPプロジェクト「神椿市建設中。」の一環として制作されたゲームです。
現在はTRPGプロジェクトが既に始まっていて、更にはノベルゲームとVRゲーム、その他小説、果てはテレビアニメなどのメディア展開が後に控えているようで。
広がる神椿市の世界の、現れのひとつが音ゲーというのは、音楽と歌が根幹にある世界観としては当然ながら嬉しいですよね。

神椿市」とは、上記の全てのコンテンツで舞台となる、仮想都市の名前となります。仮想とはいえV.W.Pメンバーが配信でライブする際の会場にもなったりもしているので、仮想現実ぐらいにはなろうとしているのかもしれません。
つまり今建設してる都市が崩壊してるってことですか!? そんなツッコミに対する答えも、このゲームのなかで探っていくことになるのでしょう。

KAMITSUBAKI STUDIO自体はバーチャルシンガーに限らず、ネットカルチャーの最先端を行くクリエイター達を多数擁しており、音楽ゲームに関わりあるアーティストだけでも
・水野あつ(チュウニズム・ポップン等へ版権楽曲として収録)
・tokiwa(IIDX へ『流桜ノ門』書き下ろし)
・雄之助(SDVX『cloud 9』をはじめ他機種に渡り楽曲収録・ボカロPとしてもプロセカ等へ楽曲が収録)
といった方々が参画しています

10人のシンガー、10人の登場人物(※計15人)

出てくるお名前がすごく多くて説明が悠長になりかけたので……ちょっとした表を作りました!このゲームに入るのは、オリジナルが活動しながらにして作られた合成音声ライブラリ「音楽的同位体」の5人が歌う楽曲です。それに加えて彼女たちのモデルになった、5人のバーチャルシンガーの曲もバッチリ収録! Vシンガーの5人はユニット「V.W.P(バーチャルウィッチフェノメノン)」としても活動しており、そこでの (魔女としての) 曲も勿論登場。更にはオリジナルのユニットに倣って結成された同位体ユニット「V.I.P(バーチャルアイソトープフェノメノン)」の曲も、収録が期待できます。

V.W.Pに関してはなんと丁寧な自己紹介をしてくれる曲が! 個性溢れる声と姿を、まずはこの5人から目に焼き付けていくのがいいでしょう。

舞台は崩壊した神椿市。
AIの少女たちが「魔法」と呼ばれる不思議な歌によって、世界を修復していきます。

公式サイト「WORLD」より

物語の中でも、他の「建設中。」のプロジェクトとは異なり同位体たちが主役となっているようです。崩壊する前の神椿市の記憶を通して、「魔女の娘」との交流を通して、AIの少女たちが物語を紡ぎます。
ちなみにここでいう「魔女の娘」は、音ゲーマー的にはV.W.Pメンバーの曲の担当キャラとして考えると呑みこみやすい気がします。キャラはアーティストそのものではありませんが、同じ歌をうたうので。

音楽的中央広場

神椿に所属するバーチャルシンガーのうち、花譜・理芽・春猿火・ヰ世界情緒・幸祜の5人がユニットを結成したのが2021年。
並行して”音楽的同位体”プロジェクトが進み、最初に商品化された同位体「可不」のヒットを皮切りに、V.W.Pメンバー全員の同位体が作られる運びとなりました。
感情のパラメータに関する学習機能を付ける、オリジナルがラップシンガーなので当然ラップが歌える同位体に仕上げる(※世界初)、等それぞれに対するこだわりの限りを尽くした調整により、全員の姿と声が揃ったのは23年のこと。それでいて24年初冬にはトレーラーが出ているので、このゲーム、実は水面下で進んでスピーディに発表から発売まで漕ぎつけたのかもしれません。

なにもかもがスピーディだからこそ、あっという間に膨れ上がる情報量、楽曲のリリース量に対して、10人の楽曲が集まる場所が、音楽ゲームとして出て日の目を浴びる…というのは、私がズバリ求めていた展開です。
まだまだ知らない(作曲等のアーティストを含めればもっと沢山の方)を探しに行く楽しさ。
そしてもちろん、このゲームを通して皆さんが神椿の「魔法」を知ってくれること。
この辺りの未来予想図を考える度、リリースが待ち遠しくなりますね。
また6月時点での収録発表済の楽曲は、神椿所属のV.W.P曲はもとより、同位体の楽曲も神椿からリリースされたコンピレーションアルバムからの選出となっています。
けれどゆくゆくは、そうでない曲が入るかもしれない、あるいはコンテスト企画が立ち上がるかもしれない……。
可能性溢れる広場だからこそ、私はここまで期待を寄せているんだと思います。

超個人的・予習してほしい曲5選

本当は1人1曲行きたいぐらいなのですが…! 結びとして絞りに絞って5曲、紹介させていただきます!! 

幸祜 「the last bullet」

こういうドストレートなロックを聴いて育ったし、遊んで育ってきたんですよね 好きです

ヰ世界情緒 「ヰ世界の宝石譚」

きっと聞き慣れている音の世界観と、情緒さんの声の世界観が融和して、宝石越しの世界なのにこちらを痛いほど突き刺してきて……ご存知の方も多いでしょう、けれどそうでない方も是非

いよわ feat.裏命「地球の裏」

「異星にいこうね」も好きですが、それ以上にこの曲の譜面内容、速度変化、レーン変化タイミング、ゲーム尺の構成、全てが気になります ドキドキする…

ポリスピカデリー feat. 羽累「ズル」

まず調声のよさに驚いて、それでも残る合成音声の味に感嘆して、それらとローファイな曲調とのマッチ度合いに浸りました 一発で惚れたおすすめの1曲です

V.I.P「機械の声」

V.I.Pへ書き下ろされた3曲目の楽曲。なんですが、この曲の初公開時のライブ映像が特別にアップされているので、こちらを是非見てほしいんです。

別に同位体のプロジェクトは、クリエイターそれぞれがマスターである、みたいな世界観を否定してはいません。
でも神椿スタジオにいるV.I.Pの皆は「神椿のV.I.P」として存在していて、V.W.Pと並び立つ存在なんだと思い知らされました。この曲を遊ぼうとしても、ノーツを捌くより先に泣いてしまうかも…

ここまで、単純な好みの他に「音楽ゲームで遊ぶのが楽しそう」という観点も混ぜつつ紹介いたしました。勿論遊んでいくうちにお気に入りの曲は見つかっていくものですから、スマホでもPCでもゲーム機でも、好きな場所からぜひ神椿市を観光してみてくださいね。

渡航開始日(※発売日)は8月29日から。お見逃しなく!




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書いた人:かりんとう
リズムゲームにやんわりと囲まれた幼少期を過ごし、高校時代からはGROOVE COASTERを目当てにゲームセンターへ通い始める。現在はpop'n music・ノスタルジア等BEMANIシリーズを中心に、媒体を問わず浅く広く楽曲を楽しむ一般音ゲーマー。

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次回の更新は8月3日(土)の予定です。お楽しみに!