中学生の頃実況者死神が好きだった僕が成人してから日常組の動画を見た時に日常組のファンに再びなった話。

 僕は小学6年の冬から中学2年生ぐらいまでゲーム実況動画を高頻度で見ていた。その中でお気に入りだったのが、「死神」という実況者だった。彼が当時上げていた動画はほとんど見たと思う。友達と集まってみることが一種のコミュニケーションツールのようにもなっていた。
 僕が見始めた時は死神さんが『保安官ラプソディー2』のパート2か、3を上げていた頃だった。それから『マインクラフターの日常』が始まり、クロノアさんが大学に合格した記念放送などは見ていた。いつ頃まで見ていたかは覚えていないが、3人で活動している間に自然と見るのをやめたと思う。

死神さんは当時のYouTubeでどんなに低く見積もってもベスト25には入るぐらい人気だった。個人的にはベスト10いやベスト5に入れたいほど人気だと思っている。

 しかし当時のYouTubeはニコニコ動画からの転載が多く「YouTube一番人気なゲーム実況はニコニコ動画からの無断転載動画だ」とも言えた。そのため当時のYouTubeでトップクラスの人気があっても、あくまで実況はニコニコ動画中心でYouTubeはその転載があるところであり、YouTubeに投稿しているという時点で人に見られにくい環境であった。

 そのうち僕もニコニコ動画を見るようになり、後述する理由からあまり死神さんを追いかけなくなった。そして大学受験を初め動画サイトを見ないようになった。

 そのうち僕は体調を崩し、同時に鬱になった。成人したが、学校に通えなくなり、不登校になってた。

  YouTuberは嫌いだった。原発の問題は何も解決せず、貧富の差は広がり、食べ物はひどいものとなり、テレビは刺激的なものを見せてばかりだった。少子化問題も深刻で、自殺者も増えている。僕だって、電車に身投げしようとして、ギリギリで踏みとどまった身だ。そして死ぬぐらいなら家でゆっくりしようと思って引きこもっていた。

 そんなのだからかこんなひどい世界で、金儲けのために「刺激的な」動画を上げている輩が大嫌いだった。

 ダメなYouTuberの動画には特徴がある。それは説明しすぎていることだ。例えば日本語で喋っている動画に日本語字幕をつけるなど、日本字幕は日本語字幕で必要な時がある。例えば耳が聞こえない方のために日本語字幕を充実させることは大切だ。また日本語学習に使われることもある。
 だがそうでない場合は視聴者の理解力を育てさせない悪手だ。場合によるので、一概には言えないのだが、普通にしゃべっているものに、そういうものを加えるのは余計だ。そういうものばかり見ているといつの間にか刺激的で、過剰に説明されているものしか見れなくなってしまう。それは視聴者を自分の動画に依存させていることになる。それを金儲けのためにしているのは当時の僕からすれば悪いことだと思っていた。

 しかし孤独は辛い、僕はいつの間にかYouTubeの動画を見るようになっていた。 

 そしてそんなある冬の時、ふと気になって死神さん今何してるのかと調べてみた。するとなんと今も活動してた。それは嬉しかった。しかしその活動はいつの間にか、「日常組」が中心になっていた。

 日常組というのは死神さんが、ぺいんとさん、クロノアさんの三人で『マインクラフターの日常』というコラボ実況を上げていたのが、いつの間にかグループ化したものだ。現在は初期から裏方を担当していたトラゾーさんも正式なメンバーとして参加し4人組の実況者となっている。

 僕も結成前の告知から最初の方、クロノアさんの大学合格発表、OPのアレンジが変更されてしばらくするぐらいまでは見ていた。しかし投稿頻度がゆっくりで、数カ月投稿されないこともあり、自然と見るのをやめていた。

 当時の印象としては大人気実況者の死神さんと普通の実況者ぺいんとさんと、謎の一般人クロノアさんのコラボ実況で日常組は死神の人気に頼ってる印象であった。

しかし久しぶりに見て見るとその印象はずいぶんと変わった。
 4人がお互いを面白くするように場を回してお互いが輝けるようにしていた。特にクロノアさんはあまり実況者にはいないタイプのキャラであり、彼がいるだけで実況組のノリが他の実況グループとは違う魅力が生まれていた。改めて見るとこの四人すごいなと思った。そこをばっちりしめるぺいんとさんとトラゾーさんもとても面白かった。

 僕は日常組の魅力は「仲の良さ」と「協調性」だと思う。予想だが日常組はもともとお金目的で結成されたチームではない。純粋な娯楽のために集まったメンバーだ。そういうものは画面越しにも伝わってくる
 4人のメンバーは自分が人気になれば良いという個人主義ではなく、自分の人気に加えチームとしての動画の面白さを追求している。そのため見ていて嫌味がなくとても楽しむことができるのだ。
 

 日常組の動画を見て当時鬱だった僕はとても楽しんだ。しかしどこかYouTubeの動画を認めることができなかった。それは当時の僕の精神状態の問題かもしれない。こんなひどい世の中で、ゲームの映像を動画サイトに挙げてお金を稼ぐという生き方に純粋に疑問を覚えていた。しかしそれは表向きの理由に過ぎなかった。

 僕は日常組のことも好きだが、死神さんのことも好きだった。しかし日常組の死神と、個人の実況者である死神のキャラクターは違っていた。

 日常組も好きなのだが、それだけではなく、個人実況者の「死神」も見たかった。

 ここで一つ余談を書こう。

僕はロリコンという言葉を死神さんの動画で知ったと思う。まさか世の中に本当に児童に性暴力を加えるような大人がいることは当時は思ってなかった。
 ロリコンの人は死神さんのように「幼女かわいいー」と言ったり、「パンツー」と言ったり、「つるペタ」と言って喜んだりする人だと思った。なのでそれらのネタを見ても、特に疑問も違和感も抱かなかった。
 今も死神がロリコンネタを言っているかは知らないのだが、あれは死神さんがまだ中学生や高校生で、ゲーム実況という文化がアングラだったからできたことであったと思う。
 当時はまだ歌い手「ぱにょ」が逮捕されたりする前であり、ヒカキンさんらがYouTuberという言葉を使って宣伝し始めたり、配信者の事務所が出来たり、YouTube kidsが出来たりする前であった。まさか今のように就学前の子供がたくさんYouTubeで配信者が作った動画を見ることになるとは思っていなかった。
 イメージで言うならば当時のYouTubeは今で言うアダルト動画配信サイトみたいな感じだったと言えば伝わりやすいかもしれない。実際そういう動画ななかったと思う。あくまでたとえ話だ。たくさんの人が見ている人気サイトであったが、まさかそれがこんなにも表に出てくるとは思わなかった。

それが整備されて、YouTuberという職業ができたり、テレビに出たり、子どもがたくさん見たりしていることになったのはとても驚きだ。

 今のYouTuberが当時の死神のように「幼女大好き」と言ったらどうなるだろう。時代は変わって言っているのだろう。それが良い変化なのか悪い変化なのかは僕が決めることではない。犯罪的な発言を言う人が減ったと言うべきかもしれないし、ネタをネタとして取ることができないぐらい荒んだ世界になったというべきかもしれない。

 追記
 どうやら死神さんもロリコン(仕事のキャラ付けのためのロリコンというキャラクター)をやめると宣言していた。

 余談はここまで。


 死神さんの魅力は「死神の世界観」を見させてくれることだ。死神のゲーム実況はあくまで「ゲームをしている死神」という映像作品という面白さであった。

 つまりゲーム実況であってもあくまで死神さんが世界観を作り、演出している死神さんが監督の映画のようなものなのだ。

 死神さんの実況動画には登場人物として実況者である死神もいる。しかしそれだけではなく間違いなく死神が演出、監督している視点もあった。

 死神さんが自分で自分の世界観を作り、その中でゲームを実況している、実況者死神を作りこんでいた。

 僕はそれが好きだった。

 日常組の動画では実況者としての死神さんはいても、監督、演出としての死神さんはいなかった。

 そのため僕は正直言って昔みたいに実況動画の更新を心待ちにする気分ではなれなくなっていた。しかしそういう動画が好きな人のもとに彼らの活躍が届ければ良いなと思っていた。そうして僕は日常組の今後の活躍を心よりお祈り申し上げていた。

 と言ってもなんとなく懐かしくなって、日常組の動画を見るようになっていた。一カ月か一カ月半に一度日常組のチャンネルを見に行って、面白そうなのものを見ていた。その時見ていた日常組のことは好きなのだが、なんとなく引っかかるものがあった。気づけば死神さんは「死神」から「しにがみ」に改名していた。アニメ声優にも挑戦していた。

 僕の中でしにがみさんはたくさんの才能がある人で、たまたまその才能が最初に花開いたのがゲーム実況なだけで、もっと他の事、例えば演技であったり、物語制作であったり、ゲーム制作であったりいろんなことができる才能がある人だ。だからしにがみさんが他のことに挑戦していることは嬉しかった。

 しかし出演者「しにがみ」だけではなく、自分で世界観を作る人としての「しにがみ」も見たいと思っていた。日常組のこと、一出演者である「しにがみ」も好きなのだが、世界観を作る人としての「しにがみ」も見れてない辛かったのので、いつの間にか日常組を避けるようになっていた。もっともそれでも一カ月から一カ月半に一回はチャンネルを見に行っていた。

 しかしある時あるものに気づいた。しにがみさんのツイキャスだ。それを聞いた時僕はとても嬉しくなった。この会話のノリは完全に昔しにがみさんが作っていた世界観だ。もちろん話している内容は中高生時代と今でずいぶんと違うものになっている。しかしそこには確かにしにがみさんのノリがあった。

 そのことがとても嬉しくて、それを気づいた後は日常組の動画や他のコラボでのしにがみさんの動画も楽しんで見ることができるようになった。

 今では昔と変わらず、日常組のファンだ。昔のように投稿されている動画をすべて見るわけでもないし、公開されてすぐ見るわけでもない。でもなんとなく見たいなと思ったときに見るようにしている。


 しにがみさんを中心に書いたが、他のメンバーのことも好きだ。

 ぺいんとさん、の安定感のあるノリとやさしさが好きだし、クロノアさんは話す内容がとても面白い。クロノアさん(的な人)がいるかいないかで日常組の人気締まり具合はまったくことなったものになっていただろう。トラゾーのやさしいと切れのあるツッコミ、余裕とたまに見せる天然ボケ的な感じがして好きだ。また機会があれば彼らについても書きたいと思う。

 日常組がきっかけで他の実況者も久しぶりに見るようになった。

『マインクラフト』ならば、我々ださん、らっだぁさん、ぴくとさん。『ポケモン』ならばエルトライトさんや鈴木けんぞうさんなどを見始めた。彼らは僕が昔は見ていなかった人たちだ。

 彼らについても機会があれば書いていきたいと思う。

 また最近見たマイクラ人狼リーグも面白かったので、その出演者のニグさん、りもこんさん、漆丸さん、ちーさらさん、パラソルさん、ワイテルズさん、メメントリさん、MSSPさんの動画も見始めた。彼らに関してはまだ何かを書けるほど見ていないが、楽しんで見ている。ゲーム実況は誤解されやすいジャンルだが、突き詰めていけば楽しいことができるだろうと思う。これからもゲーム実況を楽しんで見ていきたいと思う。

(2021年2月8日 表記など一部変更した)。


(2021年3月26日)新しい記事を投稿しました。内容はしにがみさんの個人実況時代の動画の中から私が特に好きな動画を紹介おすすめするものです。よろしければこちらも読んでいただけると嬉しいです。

さらに続きを書きました。




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