10年前のナンパの話

noteというツールで文章を書くのは人生で初めてなので、大目に見てください。適当に調べると、noteは、あまり長文を書くのに適さないらしい。表題の件を、史実に沿って書く。面白くはないです。

10年前。当時私は高校2年生だった。夏休みに、オープンキャンパスのために、一人で京都へ行った。せっかく京都に来たのに、大学を見物するだけでは面白くない。色々と観光したかった。寺やら神社やらを巡ることにした。その時私はボブヘアで、確か長い丈のTシャツとカーキのショートパンツを履いていた。これは、オープンキャンパスで知り合った一つ上の女性に褒めてもらえたから覚えている。色々と一人で巡っていたのだが、例の問題が発生したのは清水寺。本殿に入ろうとしたところで、知らない男から声をかけられた。丸刈りに近い短髪、目は二重で眉毛が濃く、肌の浅黒い小太りな男だったと思う。何故ここまで特徴を覚えているか。考えられる理由は二つ。①見知らぬ土地で見知らぬ男から声をかけられたのは初めてであり、私にとって衝撃的な事件だったため。②その後の人生でも見知らぬ男に不審な声をかけられることが度々あったのだが、確か全員この顔だったため。以上。そう言うわけで、それ以外の彼の特徴は全て忘れたが、身体的特徴だけは覚えている。以下、会話。確かこんな感じ。男「一人ですか?」私「はい」男「友達と京都を見物する予定だったんですけど、全員来れなくなって。せっかくなので今日1日、京都を僕と回ってもらえませんか?」私「すみません1日はちょっと…この後に予定があるので…」男「その予定まででいいので」私「………清水寺の本殿の出口までならいいですよ」男「はい」。その時、清水寺では何か催し物が開催されていて、入り口で火の灯った長いロウソクを持って、同じく火の灯った長いロウソクを持った見知らぬ男と、暗い本殿を連れ立って歩いた。道中、「僕の職業何に見えますか?」と執拗に聞かれた。私は女子高生で、誰が何をして金を稼いでいるかとか、よく分からなかったので、適当に濁した。彼が何故職業の話をしたがるのか不思議だったが、その疑問は口にはしなかった。そして、確か、道中、願い事を紙に書き、ロウソクを巻き、仏様に納めるスペースがあった。私は、見知らぬ男の隣で、「コンクールで金賞が取りたい」と書いた。私は吹奏楽部だった。男が何を書いたかは知らない。そして、やっと本殿脱出。やっと彼と別れることができる。最後、彼が「僕の職業、自衛官です」と言う捨て台詞を残したのが印象的だった。どうでもよすぎる。なかなか貴重な体験をしたと思ったので、地元に帰り、このことを部活の仲間に話すと大爆笑された。自分でも笑ってしまったが、確かに、完全にネタ枠の同世代の人間が、見知らぬ土地で自称自衛官とナンパに付き添っていたら、笑ってしまう。ちなみに、コンクールはその年も次の年も銀賞だったので、私の願いは叶わなかった。オープンキャンパスでは、質問の時間に男が「尊属殺人」やら「公明党と政教分離の関係」やらをデカい声で質問していて、レベルの違いを感じ、もうこの場には足を踏み入れないと誓った。

終わり。今、改めて書き出して思ったのだが、一人で観光地を歩く10代後半の女に声をかける大人の男は、割とヤバい不審者だ。私が今生きていて、彼も恐らく捕まっていないのは多分偶然だ。

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