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Twitterは気が楽だった

本記事は、当会の運営メンバーで、不登校の父をやっている「こうだ」が、不登校の親・子の話をじっくり聞いていく連載の第3回です。
今回は、当会のお茶っこ会(不登校の親のお話し会)にちょくちょく顔を出してくれている、中学3年生のくるみさんにお話を聞きました。(前回続き)

■ 今回話を聞いた方
くるみさん(15歳女性)
・小学5年生から、友人関係などが原因で学校へ生きづらくなり、現在(中3)まで不登校に。
・来春から高校へ進学予定。
・「今のタイミングで、昔のことを思い返してみたかった」「話をするのが楽しそう」という理由で、今回のインタビューを引き受けてくれました。

■ 関連記事
意地悪されて嫌なはずなのに、なぜかその友達に依存していた(くるみさん①)
嘘でもいいから共感してほしかった(くるみさん②)
Twitterは気が楽だった(くるみさん③)→当記事
あとがき:優しい人は、世界を良くすることに貢献する人だと思う(くるみさん④)

お茶っこ会から帰ってくると、親はいつもより優しく、楽しそうだった

こうだ:
ところで、くるみさんはいつごろからお茶っこ会(当会が主催する親同士の茶話会)に参加してくれるようになったんでしたっけ?

くるみ:
中2くらいからです。

こうだ:
そのくらいかぁ。
我々大人は、子どもも参加してくれることを、とても嬉しく思っています。
特に思春期になると、なかなか親子で直接言えないこととか出てくるじゃないですか。
そこで、他の家の子どもが思っている本音を聞けたりすると、すごく勉強にもなるし、楽しいんですよね。

どうしてくるみさんは参加してみようと思ったんですか?

くるみ:
お茶っこ会に親が参加して帰ってくると、いつもより優しくなったり、楽しそうにしていたりしていました。
それで、どんな会なのか気になって、自分も行ってみたいという気持ちになりました。

こうだ:
おぉー!それはまた嬉しい・・・!!

くるみ:
最初は人の目が怖かったですが、だんだん楽しくなりました。
話を聞いていると、親も子どもも色んな事情があるんだな、すごいな、と思います。
それを聞いているのが楽しい
です。

こうだ:
よかった!これからも気が向いた時に参加してね。

親には言えない悩みや愚痴を吐き出せるから、Twitterは気が楽だった

こうだ:
他に、安心できる居場所はあったりしましたか?
オンライン、オフラインのどちらでも。

くるみ:
Twitter(現・X)のアカウントを作って、気持ちを呟いたりしていました。
それが一つの居場所になっていました。

こうだ:
そうなんだね。
差支えない範囲で、どんなアカウントで、どんなことを呟いていたか、教えてもらうことはできますか?

くるみ:
いわゆる”病み垢”を作って、同じような悩みを持っている人と繋がりました。
そこでは特に相談し合ったりするわけでもなく、雑談することが多かった気がします。
親には言えないような悩みだったり愚痴だったりも吐き出せたので、気が楽でした

こうだ:
うんうん。

くるみ:
ただ、当時は心が荒れていたから、暴言を吐くことが多かったように思います。
今だったら、「○○にひどいこと言われた、つらい」みたいな言い方をするようなことも、「○○に△△って言われた。アイツほんとうざい。最悪マジで無理」みたいなことばかり言ってました。

こうだ:
そうなんだね。
でも、当時その気持ちをそのまま言葉にして吐き出せたことは、良かったと思うよ。

Twitterで吐く言葉って、その時の精神状態が出るよね。なんかわかる気がする。
私はもう何年もTwitterやってないけど、怖くて過去のアカウントなんて見れないもんな笑。

くるみ:
わかります。

ネットで呟くのが一番ハードルが低くて
おすすめ

こうだ:
ここまでいろいろと話を聞かせてくれてありがとうございます。
最後に、もし過去の自分と同じように苦しんでいる人に話すとしたら、どんなことを伝えたいと思いますか?

くるみ:
そうですね。
ネットが使える環境にあるなら、ネットで呟くのが一番ハードルが低くて、言葉にすることで気持ちの整理ができるので、おすすめしたいです。
ただし、コメントが付いたり、DMが来たりすると思うので、そういう人は警戒した方が良いと思います。

可能であれば、信頼している友達や大人に話した方が良いとは思います。
ただ、それは当時の私にとって、とてもハードルが高いことでした。

こうだ:
それはすごく実践的なアドバイスだね。
きっと届くと思います。

『自立とは、依存しなくなることではなく、依存先を増やすこと』

こうだ:
それに関連して私が思うに・・・。
リアルで会った時のくるみさん、このインタビュー(※チャット・メール)のくるみさん、学校に行っていた時のくるみさん、Twitterのくるみさん、全部くるみさんだけど、見せている面がそれぞれ違うわけじゃないですか。
そうやって、色んな面を色んな人に見せられることが大事で、見せられない面が多いほどに、一人で抱えて孤立を強めていくのだと、私は思うんですよね。
だから、「ここでなら話せそう」と思える場所を探すのは大事だなと。

自立とは、依存しなくなることではなく、依存先を増やすこと』だと、小児科医の熊谷晋一郎先生という方がおっしゃっていましたが、私は本当にその通りだなと思っています。
https://www.tokyo-jinken.or.jp/site/tokyojinken/tj-56-interview.html
くるみさんは、それが上手に出来ている、自分を大切にして生きようとしている、それが素晴らしいと思います。

このたびは沢山話を聞かせてもらって、本当にありがとうございました!
インタビューを受けてみて、どうでしたか?

くるみ:
話すの楽しかったし、話しやすかったです。
最初は話すつもりのなかったことも、信頼して話しても良いかなと思えました。
ありがとうございました。

こうだ:
こちらこそ、ありがとうございました!
くるみさんの真摯に向き合う姿勢や、言語化する能力に舌を巻くばかりでした。
今後、もし何か相談したいことが出てきたら、気軽に連絡してくださいね。

(おわり)

■ この記事について
当記事は、大人たちから変わろうの会の運営メンバーの「こうだ」が、不登校の親・子の話をじっくり聞いて、執筆しています。

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