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あんころもちに出会った日

真夏の陽射しの下、
両親に連れられて
守りの堅い城を散歩していた

からっと晴れて、
さほど暑さを感じない
そんな日だった

大きな石垣を上ってみたい気持ちに
かられながら、あの天守を望む

城を出て城下を歩く

ふらりと訪れた
大きな池のある庭園

緋毛氈の敷かれた縁台に腰掛け
はじめて食べた、あんころもち

何であんこを外側にしたんだろう?
なんてことを思いながら口にする

よく練られた口当たりの良い餡の中に、
柔らかいながらも弾力ある餅が
包まれていた

その美味しさに驚き
先ほどの疑問を恥ずかしく思った

この順番が美味しいんだ

思えば、おはぎもそう
そとに餡

あんこ餅は逆だけど

外におくか、内にいれるか
その順番で
味も受ける印象も
全くちがう

あの日から、
この季節になると
あんころもちが食べたくなる


ともかさんとみなさんの、
お菓子の物語へ参加させていただきます。感謝🍡
https://note.com/mokasanhamamatsu/n/n605cc6c7697f?sub_rt=share_pw