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真夜中の遊泳


少しずつ夏が近づく気配がする。

なぜだろう?
夏の夜は不思議と長く感じる。

生命が最も輝く季節。

私たちの命も、他の命とともに
光を増していく。

いつもなら眠りに落ちる真夜中にさえ、
その光は衰えず、
この世界を遊泳する。

与えられた時をこぼさないように、
この世界をめいっぱい感じる。

生きた年月の分だけ重ねてきた夏。
あと何回、この輝きの季節を過ごせるだろう。

この命の全てを使って、
この夏を生きていく。