経験値は確実に。
今週の月曜、夕方7時すぎ、近所の和食店でお弁当を買った。
店内をのぞくと、お客さんはひとりもいない。厨房からカシャカシャという音が聞こえてきたので、どうも店主は店じまいのために、床を磨いているようだった。コロナ前だったら、7時なんて、さぁこれから飲むぞー!という時間だ。それなのに、また緊急事態宣言で、またこの状況か。
これはしんどいだろうと思いながら店主に声をかけると、返ってきたのは意外にも、力強い言葉だった。
「ボク、毎日8時までは店を開けるんで。この町を暗くしたくないですから」とキッパリ。
その目は、見惚れるほど力強くて、そこに迷いは1ミリもなく、なんだかグッときた。
この1年間。多くの飲食店がみなそうであるように、この店も、さまざまな工夫をしてしてきた。冬場は、もつ煮。最近は、コロッケ。持ち帰りがしやすく、道行く人が瞬時においしそう、と思えるメニューを店先に並べ、店内の料理もすべてテイクアウト可。花見の時期にはお弁当、ゴールデンウイーク中には3000円でお造り盛り合わせの予約販売をうちだした。
これらは、すべて店が考え、すべて店で実行し、その結果に対してすべて店は責任をもってきた。
店だけじゃない。個人の行動も同じだ。程度の差こそあれ、行く、と決めるか、行かない、と決めるか。それはすべて個人の判断でおこなった。その行動は、大げさではなく、じぶんの信念にもとづいたもので、その結果に対してみな、じぶんで責任を持った。
この1年間。魔法のような都合のいいことは1つも起こらなかったし、政府のサポートは文字通り支援でしかないことを知ったし、しんどいこともたくさんあった。
でも、店主の目を見て気づいた。じぶんでじぶんの行動を決めて実行する、という、そんな当たり前のことを日々実践できたのは、よかったのではないかと。わたしの人生の主役に、わたしがなることを取り戻した気がする。
緊急事態宣言、3回め。またか、と思ったけど、またじゃない。わたしたちは日々学んでいる。みんなの験値は確実に上がっている。
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河原の犬散歩でみる夕日。こんなにたくさんの美しい夕日をみた1年も今までなかったよ。
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