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富士そばで、脳内アジア旅。

「名代 富士そば」で、限定メニュー「ラクサそば」680円を食べた。

店内に流れる演歌をBGMに、まずはスープをごくり。おぉ! スパイスの香りたつスープは、さらさら系でほんのり甘め。ココナッツミルクのまろやかな風味とそばが驚くほどマッチしていて、するする食べられる。

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具は、鶏肉、ゆで卵、豆腐、海老、パクチー。最初の3つの具はマレーシアのラクサでもおなじみ。パクチーは、マレーシアのラクサにはのっていないことが多いが、甘めのスープとパクチーの独特の香りは好印象。あと味に残るアジアな感じも楽しい。

そして、小瓶で付いてくるサンバル(辛味調味料)をほんの少し、そばや具につけると、瞬時にガツンとくる辛みが口中にぐわっと広がり、ひたいに汗がじわっと出て、演歌が聞こえているにも関わらず、心はアジアへ瞬間移動! かなりテンションが上がりました。

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この「ラクサそば」は、シンガポールと日本の外交関係樹立55周年を記念して開発された特別メニュー。開発を担当された工藤さんによると、目指したのは、スパイスや海老の香りが突出することのない、全体のバランスがとれたラクサスープ。在日本のシンガポール人に何度も食べてもらい、現地の味に近づけるのと同時に、そばに合うスープをイチから手作り。あえて甘めに仕上げたのはそばとなじませるためで、なんと開発には5ヶ月もかかったそうだ。

記念メニューのため、丼のデザインにもこだわり。バティック柄に国旗と富士山のコラボ、かわいすぎます。

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こちら、現在250全店にて、5万食限定で販売中。

さて、どうしても「ラクサ」という名前がついているので、現地のラクサと味が近いのか否か、また現地で食べたことがある人は、あの懐かしい味がどうコラボしているのか、という点が気になる人がいると思う。

ラクサは、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジア一帯で食べられているスープ麺である。

そもそもラクサというのはご当地ヌードルで、マレーシアに関していえば、地域によっても味が違う。日本のラーメンが北海道と九州ではガラリと味が異なるのと同じように、魚だしだったり、ココナッツミルク味だったり、とさまざま(詳しく知りたい方はこちらに)。さらに、店主のこだわりの味だったり、おうちラクサもあって、まさに多種多様。なので、富士そば流ラクサも、りっぱなラクサだと思う。

そこで、富士そばらしさをとことん満喫するために、ぜひアレンジをおすすめしたい。

いちばんのおすすめは、麺を食べ終わり、残った汁にかき揚げ(120円)を投入。ラクサスープを吸ったかき揚げ、最高です。

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また、揚げ玉(100円)をどさっとトッピングして、濃厚スープに仕上げるのもマル。(これはラクサうどん版)

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あと、コロッケ(120円)を具に追加するのもおいしかった。マレーシアにも「バガディル」というコロッケそっくりなおかずがあり、これにカレーをかけて食べることも多いので、その味を思い出したよ。

ラクサでつながる世界、楽しいな。


ちなみに、完全なる余談ですが、東京出身の友人のすみ子さん。高校生のころから富士そばに通っていたそうで、小腹が空いたら富士そばでうどん、というのが学生時代のお決まりだったとか。すごか、東京人ばい……。富士そば歴で都会っ子の暮らしを垣間見る熊本出身のわたしでした。

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