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舞台感想 2階席から観る花組公演 巡礼の年 Fashionable Empire

花組公演、二度目の観劇にして、マイ楽です。
前回は、一階の良席から観ましてジェンヌさんが近くて、嬉しくて、デレっとしてたからな……
前回の感想はこちら

舞台感想 宝塚歌劇 花組公演 巡礼の年 Fashionable Empire|おとぼけ男爵|note

が、私二階席から観るのも好きでして、一回の公演で可能なら、一階席、二階席とチケットを取るようにしています。
最近は、友の会先着で二階席を手に入れることができるのがありがたい。

さて、前回は巡礼の年、なんだか人の描き方が薄っぺらいなあと思っていたのですが、今回は少し印象が違いました。
二階席から全体を見渡すと、物語も全体を見渡せる感じがします。

サンドの屋根裏部屋から侯爵夫人のサロンでリストがガンガンに演奏するまでの流れは前回も大好きでワクワクしました。
やはり、今回も楽しく観ることが出来ました。
ここから、前回はまだなんとなく人の想いがわかりにくかったのですが(ま、ジェンヌさんに見惚れていて気もそぞろというのもありますが……)
今回は、マリーとリストのやるせなさがまずぐぐっときました。
そして、夫に理解されず、所有物のようなマリーの満たされない思いと
伯爵夫人の所有物のようにされるリストの満たされない思い。
そして、芸術家たちのシーンは、前より仲間感が強くなっていて、やっぱり公演回数を重ねる度に役同志の絆も深まるんだなあと感心。
リストの傲慢さも、自分の人気の後ろにいる伯爵夫人の存在に抵抗するようにも見えてね、やあ、すごく芝居が良くなっている。
なので、前回は「こんなあっさり惹かれあって、駆け落ちする?」って感じたのが、今回は、「ああ、お互いの満たされない思いと、お互いの心の奥深くに潜む感情への共感に惹かれたんだな」って感じに思えて、ググっと芝居に入り込めました。
そういう目線で見ると、私の苦手な「大人のかくれんぼ」シーンもとりあえず耐え切れました。

でも今回も、サンドとマリーが出会った時の、マリーの反応は不思議。「女の嫉妬」を感じないんだよな。好きな人の、昔の女……気にならないのだろうか? むしろ、サンドの方は値踏みしているかのような感じだし、リストの心を変える自信なんぞも見せる訳でしょ。不思議なんですよね。マリーだって男名で舞台批評を書いているような気の強さがあるだろうし、出奔するなんて相当根性のある女性だろうに。
貴方に会えて嬉しいです的な反応は、どこか不思議。
ま、私の感じ方が変なのかもしれないけれど……(人によってはあの静かで無邪気なまどかちゃんの芝居にメラメラした炎が見えるのかな?)
でも、熱さを感じるお芝居で、ジェンヌさんの進化は毎回感動ものだなって思います。

この辺から脚本の中身が……やはり……好きじゃない……
リストが貴族になって浮かれていくのと、マリーが革命に身を投じるのは、あまりにも説明が雑。
サンドが仕事をマリーに渡すのだって、どうもこの女性二人の関係がね。
ここに、リストを愛する女二人の仲間意識でも出来上がっているのか? 
なぜ? 
もう、革命のシーンのラップを楽しむしかないですな。

そして、魂の彷徨部分は、やはりよくわからない。???
リストという人
ショパンという人
なんだか、人の描き方があやふやでおぼろげで尻すぼみ。

前回よりは、芝居が熱く感じて楽しめたけれど、後半の尻すぼみ感は変わらなかったなあって感じました。

ショーの方は、つかさ君と音くりちゃんを見るのもこれが最後かって思うだけで、ウルウル、ぐぐっと来てしまって、困りました。
こんな楽しいショー観て、何、嗚咽をこらえてるの? この人。状態でして、やばいやばい。
でも、楽しいショーでした。



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