舞台感想 配信 宙組新人公演 Never Say Goodbye ある愛の軌跡
新人公演、出来て良かったああああ。
機材トラブルで開演が遅れたけど、出来て良かったああああ。
いやあ、宝塚歌劇の新人公演って、本当に素晴らしいシステムだと思うんですよね。
入団七年目の下級生だけで、衣装も装置もオーケストラも本公演に近いものを、満席のお客様を迎えて披露できる公演している劇団なんてそうあるもんじゃない。てか、宝塚だけ?
ほんっとうに、新人公演を経験してぐぐっと力を伸ばしていく下級生っておられるじゃないですか、もう、そういうのを見ていると、孫を見る婆ちゃん気分で、にこにこしてしまいますねえ。
さて、少しだけ感想を。
主演の風色日向さん。主演はエルハポン以来でしょうか。エルハポンの新人公演はムラで観たのですが、初主演なのに落ち着いていて、素晴らしい出来で何者や?と思った覚えがあります。だから、ちょっと期待を大きく持ちすぎたかもしれない。どことなく緊張して固い感じで始まったように思いました。なにーろ君は「陽」のタイプなので、どうしても爽やかで明るいイメージがつきまといます。デラシネの持つ影というか、そういう雰囲気を出せるようになるときっともっと素晴らしいだろうなと思いました。でも、「ONE HEART」あたりからぐぐっと集中力が増して、怒涛のように最後まで演じ切って惹きつけられました。それに、見栄えがしますよね。本当に楽しみな方です。
ヒロイン、春乃さくらさん。もう、最初っから素晴らしいんですけど。何、この落ち着き。考えてみれば、潤花ちゃんと同期か……そうか。潤花ちゃんのセリフ回しに近いものを感じたし、同期同志で色々教えあったのかなあなんて、想像するとほのぼのします。でも、良い娘役さんですねえ。
鷹翔千空さん。いや、もう安定の上手さですよ。こってぃは、役を自分のスタイルでいつも演じているなあと感心します。どうしたって、本役さんの演じ方にひっぱられると思うのですが、自分の味を出してしまうところがすごい。長の期で、もう、本公演でも下級生って感じの使われ方ではないので、当然と言えば当然ですけれど、上手いなあと思います。
亜音有星さん。このところ、ぐぐぐっと力をつけておられると思います。悪役も似合っているし、ビジュアルは美しいし、申し分ないと思います。歌もすごく上手くなっておられるように感じました。視線を奪われるオーラもお持ちだし、スター街道まっしぐらって気がしますね。
愛未サラさん。身長のある娘役さんで華やかに見えますね。やや大芝居っぽい気もするのですが、それが個性になる場合もあるのでこれからの変化が楽しみな方です。
全体的には、コーラスも感動的でしたし、民兵たちの動きも良くあっていたし、頑張ってお稽古したんだろうなあと、ウルウル……
最後の戦場のダンスは、本当に感動しました。
薄氷をふむような緊張感の中、本公演と新人公演のお稽古をして、自由な外出もできないでしょう。
そんな状況で、これだけの舞台を作り上げるのだから、本当にタカラジェンヌって最強の妖精だと思います。
いや、本当にお疲れさまでした。皆さま、ゆっくり休んでね。