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舞台感想 ライブ配信 『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語

刀剣乱舞がゲームだってことを知ったのはもう何年も前、粟田神社の近くにある小さな料理屋さんに行った時でした。おかみさんが、粟田神社に若い女の子が参拝しに来るので、最近若いお客さんが多いんですっておっしゃっていました。「それがゲームのキャラクターらしいんですよ」って教えて頂いて「へええ」って驚いたことがあります。
それでも、刀剣乱舞っていうのは刀が擬人化されたアニメみたいなものという認識を持っていただけでした。
が、カイちゃんが細川ガラシャを演じるなんていう話題がツイッターのタイムラインに流れてくると、こういう舞台は元タカラジェンヌにはぴったりだよなあって少し気になっていました。

ご卒業後のカイちゃんの活躍は、OGの新しい道を切り開いているなあと思います。以前は、ご卒業した男役さんがすぐに綺麗な女優さんになってしまうのがどこか寂しく思えたものです。
男役の経験を生かした七海ひろきというアーティストの自己演出力は、素晴らしいなあと感心してしまいます。
私、スタイリッシュ体操好きなんですよね。どこかユーモアがあって、でも本当にかっこいい。卒業しても女性をきゃあきゃあ言わせてしまうアーティストは、新たなOGの姿のように思えます。

この舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語のキャストを見てびっくり!
歌仙兼定 七海ひろき
大倶利伽羅 彩凪 翔
一文字則宗 綾 凰華
山鳥毛 麻央侑希
姫鶴一文字 澄輝さやと
南泉一文字 汐月しゅう

宝塚スペシャルか!

でも、こういう配役で舞台が構成され、商業ベースにのっていくのは良い傾向だなあって感じます。
一握りのトップスターにならずとも、卒業後も舞台人として生きていく場所があり、演じるキャラクターも身につけた男役芸を見せる幅広さがあるというのは絶対に良いことだと思います。
ご卒業は淋しいけれど、最近はご卒業後の活動に期待できるのも宝塚ファンの醍醐味かもしれません。

ライブ配信で全景映像というのとスイッチング映像というのがあるのですね。時間的に見られるのが昼公演だったので、全景映像というのを購入したのですが、この全景っていうのが遠い! 
二階席後方か三階席か?って感じがするほど遠い。
もう少し近づいて欲しかったなあって思いました。(画面的にはまだ余裕あったと思うんですよ)
顔がね、顔が全然見えません……
その分、全体のフォーメーションとか動きは見られるので、殺陣の様子はよく見えましたけれどね。

ネタバレありの、舞台感想です。

刀剣男士というのは、歴史を守るために戦っている者たちなのですが、今回は源氏物語の作者紫式部の周辺に異常が見られて平安時代に出陣しています。
ま、物語はふわっと理解しておく方が良いのだと思います。正直、よくわからないので……
紫式部を崇拝する一人の男が、後の世で光源氏の遺骨が見つかれば源氏物語は物語ではなく歴史になり、紫式部の苦しみがなくなると考えている。そして自分を光源氏とし、殺されてその遺骨が将来見つかることで物語が歴史になることを目論んでいる。物語の中に取り込まれた歌仙兼定たちは、源氏物語の中身を変えて物語を破壊しようとする。そして、白紙の雲隠の章で、光源氏の命を奪おうとするのだが、それこそが男の目的だった。

まあ、見どころは刀剣男士たちの殺陣だと思います。
迫力ある戦いのシーンは、多分振り付けや殺陣をつけ方が宝塚とは違うのでしょうね。違う印象を感じました。
カイちゃんもかっこいいけれど、翔さまとあやなちゃんのかっこよさにもため息がもれました。(でも、遠いんだよな……)
決めポーズがしっかりしているというか、なんとも美しい。
刀剣男士には、それぞれ決めセリフがあるのかな? 決めセリフと共に、各キャラクターが戦うのは、なんとなく少年漫画のアニメを見ている感じでした。そういう知識がないのでちょっとわかりませんでした。

ストーリーは能の源氏供養とか、源氏物語の雲隠六帖などのエピソードをおり混ぜながら、物語が歴史にされてしまわないように戦っている感じです。
そして、源氏が愛したのは藤壺の女御一人であり、そのほかの女たちは源氏を愛しても愛されなかったと恨みに思い、源氏物語に登場した女たち皆で光源氏の命を奪おうとするが……というユニークな流れもありながら、物語として昇華されていくという感じだったのかな。
なかなか、わかりずらいお話でした。

刀剣男士のかっこよさを愛でるのが一番ですね。
殺陣と音と、映像の迫力はなかなかのものです。

でも若紫をしていた女の子は芸達者だったなあ。
最近の子役は本当にしっかりしていて、大人顔負けですねえ。

男役の元タカラジェンヌが現役時代と変わらない美しさとかっこよさで演じ、舞う、なかなか美しい舞台でした。
スイッチング映像も見たかったなあ……

でも、OGたちがこうして元気に公演をしているのを見るだけで、なんだかとってもほっとして、嬉しい気持ちがするものです。

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