寝付けない夜、目からウロコが落ちた - close your eyes / 宮本浩次
私は寝入りが悪い方で、疲れ切って早く眠りにつきたい時でも、なかなか寝付けないことが多い。
眠るのは疲れを取るため。なのに眠れないとなると、焦る。焦ってさらに眠れない。
なぜただ眠るだけのことに、こんなにこころを砕かなくてはならないのか。
眠るのがもう、ストレス。
という、わけのわからないことまで考える始末。
最近私は、眠りに困難を抱えているのだ。
*
宮本に、"close your eyes"と言われたら、あなたなら何を思いますか。
私はひたすら「内省する」歌であろう、とそういう予想をしていました。
というか、そういう期待を私は勝手にしていた。
ところが、この歌はそうじゃなかった。
むしろ、今わたしが抱えている「眠り」に関する悩みがちょっと減った気がするのだ。
ネットやSNSで何もかも批判の対象となる今の風潮に、私はもう嫌気がさしている。誰かが誰かを傷つけ、それがどんどん広がって、傷がもっと大きくなっていく。
だけど一方で、日常の生活では、ものすごく悪意のある人たちに溢れているかというと表面上はそうではなかったりもする。
ネットやSNSの世界と、日常の世界との乖離というそれだけで、心が落ち着かなくなることは、私にはある。
だから私は、この冒頭から「やっぱり宮本は信頼できるな」と思った。ちょっと救われもした。
宮本はだいたいの場合、ちゃんと前提を踏まえる。
真面目な人なのだ。
信頼できる。
この前提があった上で、宮本はいう。
つまり、これは私の解釈ですが、
世の中、いろいろありますが。
ま、とりあえず、目を閉じて、新しいことのために備えようぜ
と。
私には、こういう視点をもったことがいまだかつてなかった。眠ることで新たな旅に行けると、思ったことがなかった。
昨日やっぱり眠るのがうまくいかず、配信スタートすぐの0時ごろにこの曲を聴いていたのだが、この部分を聴いた瞬間目からウロコで、ちょっと目が冴えたくらいだ。
明日、また新しい何か(旅)があるから、そのために今日は眠る
と考えるのは、とても希望のあることだ。
シンプルだけど、本質的に意義のあることを宮本は、ちゃんと歌にする。
なんというか、私は基本的に物事を考えてしまうのだ。だからこういう単純なことになかなか気づかないで、見過ごしている。
私が見過ごすことを、宮本は全然通りすぎない。
しっかりすくいあげて歌にして、届ける。
想像してみる。
今夜、あなたは少し気がかりなことを抱えて、ベッドに入るのかもしれない。今日起きた困った何かを心にしまっているかもしれない。
今あなたが見上げた天井の向こうにある、
広い空は何も変わらない。
今日も、明日も、たぶん明後日も。
けど、明日が新しい旅の初日だと想像したら、
どうだろうか。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでも、
ワクワクしないか。
世界は明日も変わらない。
けれども、世界の見かたを、私たちは自分で変えられる。
そういうことを宮本は歌で届けているんじゃないかと、私は思う。
宮本が言ってんだから、信じてみていい気がするんだよなあ。
いつだって、宮本は信頼できる人なのだから。
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