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ぺこらの挑戦#15 危機感

【注意】本稿は筆者の独断と偏見に基づく何ら根拠のない憶測である。

夏休みの最終日をアソビ大全凸待ち配信の大成功でしめくくった兎田ぺこらだったが、8月終盤の配信でのぺこらの話を聞いていると、ぺこらが何やら危機感を抱いているかのように感じられた。なぜなら、この夏休みに大攻勢をかけた「女性ストリーマー世界一」へのアプローチ方法を大きく変更し、自分の足元を固めるためと思われる施策を次々と打ち出してきたからだ。

この夏休みまで、ぺこらの視線は女性ストリーマー世界一に向かって一直線に据えられていたようだった。スパチャ読みの廃止とCパート雑談の充実、たびたびの複数回行動やTwitchの活用、長期休暇における特大企画などの様々な施策は、とにかく視聴時間を増やしてダイレクトに世界一に迫ろうという策であったように思う。

それぞれの施策は一定の成果を上げたと評価できると思うが、夏場から配信以外の仕事も忙しくなってきたようで、3Qの配信時間を大きく伸ばすことができなかった。この夏休みに実施した特大企画も、当初期待していたほどのインパクトはなかったようだ。

(兎田ぺこら2021年配信時間集計)

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それどころか、(恐らく結構な無理をして)配信時間を増やした反動で、喉に疲労がたまって歌枠が減少し、企画を立てるための時間的余裕も失って、ゲームばかりの配信構成になってしまうという単調化の兆しが見えてきた。ぺこらの2021年の全配信に占めるゲーム配信の割合は約82%だが、この8月に限って言えばメン限1回を除いて全ての配信がゲームであり、歌枠もゲーム以外の企画も皆無であった。ぺこらが上手に変化をつけてリスナーを飽きさせなかったために、ぺこらに言われるまでゲームばかりになってしまっていたことに筆者は気づかなかったが、この状況が長期的に続くことはぺこらとしても避けたいところだろう。

その一方で、もう一つの目標である登録者年内200万人も、登録者増加数の鈍化によって難しくなってきた。他者から見れば決して悪いペースとは言えないのだが、現在最も勢いがあるマリン船長と比較すると50~60%のペースとなっている。高いレベルの話になるが、年内200万人を達成したいのであれば、新規登録者を引き込むためのテコ入れが必要となっているのだ。

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ぺこらは、こういった状況を分析した結果、配信時間増加のためにリソースを集中しすぎたせいで、それ以外の部分がうまく回らなくなりそうな気配を敏感に感じ取ったのかもしれない。このままゴリ押しの複数回行動でゲーム配信を続けていけば、配信時間は増えていくだろう。だが、配信内容が単調になってしまいリスナーが食傷して配信への集りが悪くなってしまったら、肝心の視聴時間を伸ばせなくなる。そこで、この秋以降の戦略として、配信時間をとにかく増やすという直線的なアプローチはいったんやめて、ゲーム以外の企画を充実させたり、タレントの仕事を積極的に受けたりすることによって、知名度や集客力といった営業的な基礎体力を改めて強化しながら、腰を据えて世界一を狙っていく方針を採用したように思われる。

ぺこらいわく、現在ゲーム以外で5つの企画を提出済みであるとのことで、これらの企画が現実化すれば、どうしてもゲーム中心になりがちな配信の単調化を和らげ、集客力の強化につなげることができるだろう。ぺこらと言えばやはりゲーム実況に強く、それ以外の企画は少な目という印象であったが、ゲーム以外の企画がうまく数字を稼げるようになれば、また一つ大きな武器を手に入れることになるに違いない。

あわせて、凸待ち逆凸を含むコラボを積極的に活用して箱内のリスナーに顔を売って行くことも継続していくことだろう。この夏、積極的にいくつものコラボを企画したり、参加したりして結果を残してきた。ツイッターをやっていると、リスナーの感想ツイートの多さや内容である程度その配信の成否を感じることができるが、筆者が感じた限りではいずれのコラボも上々の手ごたえを残しており、ぺこらもより自信を深めたのではないかと思う。マイメロのモノマネも半ば強引に続けており、もしかしたらモノマネ縛り地獄アモアスも実現してしまうかもしれない。

さらに、苦手意識からこれまで断っていたというラジオの仕事にも今後挑戦していくということであり、現在よりも一つ高いステージでの知名度向上をも狙っているようである。番組名は未公表だが、あるラジオ番組への出演が既に決定しているとのことだ。

今年のぺこらは、これまで苦手だ嫌だといって避けて通ってきたことをむしろ積極的に展開し、何ならこの先武器にすらしてしまおうとしている。状況を分析し、わずかな変化をとらえて先手先手で施策を繰り出し続けている。その姿勢と継続力は見事というしかないし、本気で世界一を取りたいのだという強い意志を感じさせるものだ。ぺこらだったら、何かどでかいことをやらかしてくれるのではないか。そういった期待を胸に、またぺこらの配信を楽しみたいと思う。