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群像

群像の一人となりし春の服

雑誌や服を買いに百貨店へ行った。寝起きのような格好だったが、俳句では、現実と異なる人間像を想像できるから良い。市民文芸の締切が近い。それぞれが生き生きと活躍する様を群像というらしい。文芸誌への投稿は、仕事用の服を買うなど簡単な取材から書こうと思った。

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   群像

芥子の粒ほどの人格水温む

花粉のせゐ年金事務の目の赤さ

春雨や自動ドアより子の足跡

春宵の緑のTシャツと鞄

群像の一人となりし春の服

風俗の看板春の雨に濡れ

春宵を脈打つ腕時計の跡

雑誌読むヤンキー座りつばくらめ

バンダナより染めし髪色青菜買ふ

耳鳴りのやうな蛍光灯春夜

ぎんが

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