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自由俳句

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2021年7月の記事一覧

自由俳句 夏座敷

自由俳句 夏座敷

軒近き畳濡れたり夏座敷

 障子をとり広々とした座敷には、にわか雨がふきこみ、縁側と畳を濡らしています。隣の竹林から涼しい風が吹いてきました。

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   夏座敷

雀跳び羽搏く天の高さかな

紫陽花の萼へかかりし傘の水

軽自動車の鏡紫陽花へ寄せ

珈琲の混ざり雲ゆく夏マスク

虹見えさう雲の稜線顕なり

夏落葉掻く警察学校の竹箒

石畳踏み歩きたりぬかり道

稽古場の和太鼓響く舞台かな

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自由俳句 追伸

自由俳句 追伸

追伸やしだれ桜の花は葉に

 手紙を書いたまま出さずにいたら、季節は春から夏へと変わってしまいました。本文のしだれ桜は、既に青々とした葉を茂らせています。

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   追伸

四畳半部屋塵たたず帰省かな

梅雨明や渋谷スクランブル交差点

歌ひたし青葉の県営住宅で

梅雨昏(くら)し燐と硫黄の臭ひして

コウモリや油まみれの換気扇

雨足の近づきゐたる慰霊の日

甚平の父受け流す拳かな

七夕

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