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自由俳句

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2021年5月の記事一覧

自由俳句 親子喧嘩

自由俳句 親子喧嘩

軒先の親子喧嘩やさみだるる

渥美清主演の「父子草」をYoutubeで観ました。

おでん屋と言ったら高架下なんですね。

そして、喧嘩といったら雨の中。

自分の父親と重ねてしまいました。

   親子喧嘩   10句

葡萄酒へぬるき風吹く肉料理

マスク灼け校舎駅から二十分

百円の散らばる音やランドリー

側溝へ五十円玉沈みゆく

新郎の友の白靴白スーツ

冷蔵庫寝言の如く音立てて

折畳

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自由俳句 コウノトリ

自由俳句 コウノトリ

球入れのやうな巣塔へコウノトリ

関東平野を流れる渡良瀬川へコウノトリの親子を観察しに行ってきました。

望遠鏡越しに眺めると黒色の風切羽がよく見えます。

巣立ちまでもう少しだそう。

   コウノトリ   10句

球入れのやうな巣塔へコウノトリ

コウノトリ観ながら少子高齢化

たなご釣り雨の濁れる池の水

片付けし箪笥の揺るる足拍子

手ぬぐひの球の解けし桶の水

目の奥の白黒映画濡れてゐ

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自由俳句 田園

自由俳句 田園

田園は大地の臭気立ちこめる

うずら農家さんのある田園地帯は、そのフンに石灰を混ぜて肥料として使用しています。

その肥料が山積みになっているわけですが、熱気や臭いから素人の私でも「いい肥料だなぁ」と思いました。まるで地面の底から噴き上げて来たような匂いがします。

それでは、文頭の句を含め10句です。

玄関の昼の電灯雨の庭

田園は大地の臭気立ちこめる

ふかし芋胃にほどけゆく柔らかさ

白靴

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駅

マスク灼け校舎駅から二十分

 駅から離れた校舎は、自転車で駅から片道二十分かかる。通学で日焼けした学生達の中には、マスクをした頬や口元を灼け残した者がいる。

   駅   大竹銀河

   田園

玄関の昼の電灯雨の庭

田園は大地の臭気立ちこめる

ふかし芋胃にほどけゆく柔らかさ

白靴が先頭行くや筑波山

蟻の上親指重くのしかかる

バス停まる道に面して換気扇

空想の黙(もだ)ふさはしや

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