在野の研究者たれ
二児の父である僕のルーティンは、出社前に一歳半の長女を保育園に送り出し、小1時間のドライブの末、そこで仕事をこなし、帰宅後、家族で過ごし、出来る範囲にはなりますが新生児の次女のミルクやりをしたりします。その合間を利用して自分の勉強や、最近は触る時間を作れていませんが趣味のギターを弾いたりしています。要は、自分と家族を養う為の僕なりの稼ぎ方と、自分の生きがいを探究する為の過ごし方を両立させようとしているのです。
そんな中ですが、たまたま自宅の本棚の近くで僕が本を読んでいると、一歳半の娘もその姿を真似て僕の本棚から、一冊の本を取り出してパラパラとめくり始めたのです。親として子どもの成長を感じる一幕であります。もちろん娘はまだ文字は読めないので単純にイラストや色彩で好きなものを選んでいるようですが、今日たまたま選んだ本が、南方熊楠さんの伝記を漫画で描いたものでした。
僕の地元の和歌山生まれの知の巨人と称された、熊楠さんのその本のあるページを娘は開きました。そこに書いていた内容が素晴らしいものでした。
趣旨は、学者というものは組織の中に入って言われた事をしていては意味がない。自分で目標を定めて、自分で努力するのが本当の学者の姿ではないのかという、自由な精神をお持ちだった熊楠さんらしい考え方に思います。
その考えに触れた上で言うと、日々の仕事で奔走している事は自分で自分と家族が生活する為の事であり、また子育てに追われている事も、社会からの預かり物である次の命を育てているという、とても尊い事に思います。むしろ子育てこそ、自然の中のルールに従う必要が強いです。ミルクを欲する赤ちゃんは待ってはくれないのです。
熊楠さんの思いを忖度すると(忖度は相手の気持ちを推し量るという、本来素敵な日本語です。)自律した上で本来の目的に向かって走る事が大切なのだと説いているのだと思います。だから官だの民だのに囚われる必要は無く、己が信ずるところに従い、生まれてきた意味に則した生き方をすればいいのです。
最新の施設が無くたっていいじゃないですか。地位や名誉が無くたっていいじゃないですか。直ぐに日の目が当たらなくたっていいじゃないですか。
そんな志を持つ素敵な研究者さんが在野にも沢山おられるのではないでしょうか。そう在る事が、知の底上げに繋がり、国を盛んにすることに繋がるように思います。
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