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第28話『みんなで行こうシューズステーショントミヤマ!オセロッチがウッキウキ!?』

      ☆白黒★オセロッチ!

【前回までのお話】
アカネ、ミジンコ、オセロッチ、ユメちゃんの4人でシューズステーショントミヤマに行くことになった!
楽しくお買い物できるのか!?

前回

第28話『みんなで行こうシューズステーショントミヤマ!オセロッチがウッキウキ!?』


シューズステーショントミヤマに向かう4人。

いや、3人と1人に見えなくもない。

渚沢アカネを挟んで両脇にオセロッチとミジンコ、その3人の少し後をユメちゃんが歩いている。



「ユメ子ちゃん、大丈夫??あたし達歩くの速いかな?」

アカネはユメちゃんを気遣っている。

「そんなことないよ、大丈夫!」
速足でアカネ達に追いつくユメちゃん。

「早く歩けよなーユメ子!」
ミジンコは迷惑そうに言った。

アカネが優しくていいコなのはよくわかる。
でも、どうしてかユメちゃんは、
アカネの前だといつもの自分でいられない気がしていた。


シューズステーショントミヤマでは、アカネとオセロッチは女子用のスニーカーを見て回っている。

「ねえ!オセロッチくん、この靴とかどうかな?あたしに似合うと思う??」
キラキラした目でオセロッチに問うアカネ。

「さ、さぁ…?似合うんじゃないの…?」
オセロッチは無頼を装っている。

「もう!真剣に見てよー!」

などとはしゃいでいる。

ミジンコは男の子用の靴を物色している。大人用の靴を履きたいが、ミジンコの足には大き過ぎた。

ユメちゃんは所在無さげに店内をうろついていた。
特に靴を買う予定は無いが、せっかく来たので女性用のオシャレな靴をぼんやり眺めていた。

「あ!ユメ子ちゃんもこういう靴履くの??」

気がつくとアカネが隣に来ていた。ユメちゃんの目の前にある高いヒールの靴を指さしていた。

「ま、まさか!履くワケ無いじゃん!あたしが履いても似合わないよ!」

こんな靴、背が高くて大人っぽいアカネなら似合うのだろうなとユメちゃんは思った。

「そんなことないよ!ユメ子ちゃんならきっと似合うよ!」

アカネにからかっている様子はない。本当に思っているのだろうか。

「あはははははッ!ユメ子がこんなの履いてたらオイラ笑っちまうでやんす〜!!なあ、オセロッチ?」

いつの間にかミジンコも近くに来ていた。
オセロッチまで居る。

「コラ!そんなこと言っちゃダメーっ!!」
アカネが怒った振りをして注意をした。

ユメちゃんはオセロッチの顔をチラ見した。
オセロッチは普通に笑っていた。

ユメちゃんは気分を害した。




アカネはシンプルな白い運動靴を買い、4人は店を出た。
ミジンコは色々と物色したが、今日はお金を持ってないので今度来た時に買うことにした。

「オセロッチくん!今日は来てくれてありがとうね!ステキな靴も買えたし、いろいろ見られて楽しかったわ!」
アカネは屈託の無い笑顔で言った。

「べ、別にいいけど…」
オセロッチは照れている。

「オイラも楽しかったでやんすー!」
のん気なミジンコ。

と、そこへ
前方からガラの悪い男子小学生2人が歩いてくる。

一人は痩せていて小柄だが眉間には深いシワが刻まれている。
切れ長の目は鋭く吊り上がっている。

もう一人は小学生らしからぬ巨躯で浅黒く日焼けしていていかにも腕っぷしに自信がありそうである。

オセロッチは顔を強張らせた。
あの2人がアカネに目をつけないはずは無い。
いざとなったら僕が身を挺して守らなければ…と思った。

が、しかし
2人組は意外な人物に声をかけた。

「よォ、ミジンコじゃねえか…ご無沙汰だなぁ…」
小柄な少年がミジンコに声をかけた。

ミジンコは青ざめている。

「最近顔を見せないと思ったらずいぶんと楽しそうじゃねえか?」
小柄な少年がミジンコの肩に手を乗せた。

少年たちはアカネのことを値踏みするような視線で眺めている。

「なんだようミジンコちゃん、ずいぶんとマブいスケと楽しくお買い物たあ良いご身分じゃあねえか?あ?」

大柄なほうの少年もミジンコの反対の肩に手を乗せた。

ミジンコはガタガタと震えている。

「よォ俺たちとも遊んでくれるよなァ?」

ミジンコは冷や汗を流しながら地面を見つめ、何もこたえられない。


「ど・う・な・ん・だ?」

小柄な少年が低い声で恫喝した。


「も、もちろんでやんす…」

ミジンコはなんとか声を絞り出した。

「あーはっはっは!」
大柄な少年が下品に笑った。

「ミジンコちゃん、俺たちとの約束、忘れてねえだろうな?さっさと持ってきてくれよな!」

そう言い残すとガラの悪い二人組は去って行った。


ミジンコは小刻みに震えている。

オセロッチとユメちゃんは顔を見合わせ、
ただ事ではない雰囲気を感じ取っていた。

アカネは去って行く二人の後ろ姿を虚ろな目で見ていた。

(つづく)







☆白黒★オセロッチ! 次回 『ミジンコの受難!?助け船だよオセロッチ!』


☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから




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