見出し画像

新スキルを設計する仕事 〜ゲームクリエイターに聞いてみた!〜

火炎、楔、花鳥風月……オセロニアには、たくさんのスキルがあります。
1プレイヤーとして、「新スキル、どうやって思い付いたんだろう?」と不思議に思っていたりも。
そこで、今回はオセロニアチームのスキルを作る職人にお話を聞いてみました!

画像1

みなさんこんにちは!オセロニア運営のまなてぃです!
この時期のオセロニア運営は年末年始の企画準備でバタバタしておりますが、いいものを皆さんにお届けできるようチームみんなで頑張ってます。

今回は、スキルが新しく誕生するまでにフォーカス。オセロニアのスキル制作の裏側や、ゲーム作りに大切な力など……色々聞いてみました!

1.ゲームを作る人になった

まなてぃ:まずは、まっつんさんはゲームがめっちゃ好きですよね!(とあるゲームで世界ランカーだったり)いつからオセロニアチームに来たんですか?

まっつん:ゲーム業界に入ったのは新卒2年目の時でした!新卒では全然別の食品系の会社に入社したんですが、2年間ほど働いていた頃、当時とあるアニメーション業界の日常を描いたアニメ作品を見ていて、クリエーターってめっちゃおもろそう!と思ったのと「ちげーな。ゲーム作りたいわ。」ってなって、そこからゲーム業界に入りました。
最初は別の会社で、2年間ゲームを0からリリースする経験を積んで、色々できるようになったかな?というタイミングで、ジャンプアップとしてDeNAに転職して即オセロニアチームに配属されました。

まなてぃ:知らなかった!(笑) 初期からバトルチームだったんですか?

まっつん:チームに入ってすぐに今の役割(バトル開発)になりました。3年以上ずーっとスキルチームにいます。なので暗黒スキルはかなり初期に携わったスキルです。役割としては、 新しいスキルを検討して、そのスキルをゲームの中で使えるように開発するお仕事です!

2.オセロニアのスキルの作り方

まなてぃ:では早速オセロニアのスキルについてなのですが、0からオセロニアンの皆さんの手元に届くまで、どんな工程があるのか教えてください!

まっつん:ざっくりいうと

①他のゲームを遊んだり、アニメを見たり漫画を読んだりして面白いキーワードを探す
②面白いキーワードを見つけたら、妄想を広げていく
③面白そうなものになりそうだな!とイメージ出来るようになったらオセロニアのバトルに組み込むならどうする?を考える
④仕様書に書き起こす


まなてぃ:独特な順番ですね…特に最初のところが気になりますね!

まっつん:最初のところは、例えばテレビCMの1フレーズが気になったりすることもあります。

すごく例えばですが、CMを見ていて「一本満足!」という言葉が気になったとすると

一本満足って(オセロニアで例えると)なんだろう?
 ↓
一撃でHPを回復するとかかな?
一本ですごくインパクトがある何かとかかな?
 ↓
瞬間的にHPを全回復する変わりに、代償で何か失うとかなのかな…?

みたいに、不意に耳にした言葉から、なぜか形になるみたいなことが多いかもしれないです。

まなてぃ:なるほど!何か必ずしもトレーディングカードゲームとかスマホ・コンシューマーゲームからアイデアを得ているわけではないんですね。

まっつん:全然ないですね。もちろんそういうところからアイデアを得ることもありますが、ゲームに拘ってるわけではないです。

まなてぃ:そうなんですね…過去に作ったスキルで、これは閃いたなーと印象に残っているスキルってありますか?

まっつん:楔が今ぱっと思い浮かんだんですけど、「楔を盤面にぶっさす!」っていうイメージから入っていきました。

・フィールドにボスからのギミックで処理しないといけないものが召喚される
・プレイヤーはそれを処理しないとデメリットが出る

という部分から着想を得て、オセロニアで盤面に影響を与えるギミックを入れるならどうするかを考えていったという感じです。

まなてぃ:ちなみに私が、登場した時のインパクトとして印象的だったスキルの1つが火炎だったのですが、火炎はどうやって思いつきましたか?

まっつん:そうですね、火炎が出るまでは、盤面上に何かギミックが生成されるっていうものがなかった(マス変換はありましたが)ので、何かビジュアル的に面白いことができないかな…っていうところから考えはじめました。マス目状なので、マスに対して、範囲攻撃みたいなことができないかな…っていうところから考えていきました。

まなてぃ:なるほど!ちなみに、今ホットなスキルの1つが花鳥風月だと思うのですが、チーム内の資料を振り返ってみるとかなり前から考えられていたスキルですよね。

まっつん:花鳥風月については、原型となるアイデアは2年前くらいからあったのですが、当時は「今はもう少し別の設計に集中したいから、一度眠らせておこう」と封印したんです。その後、このアイデアを掘り起こし、十分にブラッシュアップしてリリースまで持っていきました。
ずっと頭の片隅にはあったのですが「どうやったらこれをオセロニアに落とし込めるか…」っていうブラッシュアップが仕切れなかったんですよね。なので一旦時期を空けて検討していました。

まなてぃ:眠らせることもあるんですね。まっつんさんメモみたいなアイデアがプールされてる資料があったりするんですか?

まっつん:ありますね!ただ文字量が多い資料ですが、こんな感じで書き溜めてます。

画像2

まなてぃ:文字量もすごいな…まっつんさんがスキルを思い付いたあとに、メンバーとどんな形で議論しているんですか?

まっつん:ものによるんですけど、一応スケジュールとかに合わせて2パターンあって、

①最初から最後まで自分で押し進めるパターン

最初の着想から開発までは自分一人で制作を進めて、バトルチームに預けてスキルの数値の調整をしてもらうパターン。メインは自分で進めていくのですが、もちろん初期段階でバトルチームのメンバーと壁打ちをしながら、新たな視点や意見をもらったりします。

②どういうアーキタイプ作りましょうか!をみんなで会議するパターン

チームで集まって議論しながら作っていくパターンもありますが……これはなかなか進め方が難しいですね。
みんな白紙の状態で集まって「さぁどうしましょう!」で自由に議論して、次の回までに僕の方でとっかかりを4-5個まとめて、「このアイデアどう思う?」「この考え方だと何が問題かな?」とかを話して行って、みんなでまとめていく感じの流れです!みんな自由に意見をあげるので…ほんと学級委員会みたいな感じです(笑)

まなてぃ:バトルチームのみんなの学級委員会(笑)

3.ゲームのお仕事で大事なこと

まなてぃ:リアルイベントの交流タイムとかでオセロニアンの方にお会いすると「どうやったらゲームの仕事に携われますか?」「何勉強したらいいですか?」って聞かれることが結構あって。まっつんさんは学生時代になにを勉強していたんですか?

まっつん:僕、航空力学ですね。

まなてぃ:え!全然知らなかった!大学入る時にゲームの仕事したいなとか思ってなかったんですか?

まっつん:夢としては思ってたんですけど、変に達観してて「作るよりどうせ遊んでる方が面白いだろ…」「作る側にはどうせ入れないしな…」って決めつけてたんですよね。就活も、興味本位でゲーム業界の説明会とかも行くには行ったんですけど、結果真っ当に就活を頑張りました。

まなてぃ:そうだったんですね。そこからとあるタイミングで、アニメの影響でスイッチが入ったと。

まっつん:そうですね。完全に先ほど話したアニメをオンタイムで見て、クリエイティブな仕事がしたいとスイッチが入りました。ほんとにそのおかげです。

まなてぃ:そうなんですね!今振り返って、ゲームの仕事をするにあたって「これはやっておいてよかったな」って思うことってなんですかね?

まっつん:言葉にするのが難しいんですけど…一言でいうと「考察力」だと思います。全ての事象に対して考察をしていくことかなと。

例えば映画を見ても、「なんで最後の人はあのセリフを残したんだろう…?」とかを考えて、「映画中では語られてないけど、過去に彼はこんな生活をして、こういう経験があったから、最後にこういう言葉を残したのでは?」みたいなことに思いを巡らせます。

そういう考察力がゲームを作る仕事、特にスキルを作る仕事だとめちゃめちゃ重要で。なんでもないキーワードから考えを膨らませて、「オセロニアにあてはめるならどうなるか?」に思い至る下地は考察から培われていったと思います。

まなてぃ:すごいな…わたしまっつんさんと3年以上同じチームなのに全然知らなかった…。

最後に今後オセロニアのスキルを作っていく上で、まっつんさんが考えている展望ってあったりしますか?

まっつん:オセロニアのゲームの特性上、1ターンに1ドローで、アクションとしても1枚しか置けないので、制約が大きいゲームだと思ってます。なので、もう少し1ターンの中で考える幅を増やして「あの時ああしておけばよかったのに!!」の要素をもっと増やしていけると面白くなるかなと思っています。

まなてぃ:ありがとうございます!では最後にオセロニアンのみなさんに一言!

まっつん:これからも皆様の遊びの幅を横に広げられるような新スキルを鋭意開発してまいりますので、末永くオセロニアをよろしくお願いいたします!

運営チーム アシスタントプロデューサー まなてぃ
〈次回の配信予定日:2021年12月上旬〉

更新はこちらでお知らせしています!