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#小説
坂崎プリ男の明日のために-その1-
-夏の30日目-
我が友、ダイスケ'トム'ロペスの言葉を信じるならば、僕が目覚めたのは確かに『その日』であった。
『こちらの世界』においては四季はおよそ120日で一巡するらしい。
だから、僕が目覚めたのはまさしく夏の終わりだった。
-10時30分-
学校の教室ほどの広さの部屋、
それが僕が目覚めた「ウェストン市避難センター」であった。
その固い木製のベンチの上で僕は眠っていたようだ。
坂崎プリ男の明日のために-その2-
-夏の30日、午後-
ダイスケ'トム'ロペスの言うことは激しく僕を動揺させた。
彼は僕を落ち着かせて、松葉で淹れたお茶と避難所に備蓄してあった大豆のプロテインバーを分けてくれた。
-12時45分-
水分とカロリーを吸収したことで、多少は思考を落ち着けることができた。
そして自分自身の記憶も回復しつつあるように感じた。
僕は坂崎プリ男であり、ここは避難所。
部屋の北側にあるのは戸棚