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光る君へ 第二回 「めぐりあい」


まひろ、大人になる

第二回冒頭。
男子の元服に相当する、女子の成人式「裳着」のシーンから第二回の物語が始まる。
子役さんから吉高由里子さんへ。
幾重にも重ねた装束の最後、長く引いた「裳」の帯を結ぶのは、宣孝。
元服の際、烏帽子(えぼし)と呼ばれる長い帽子を最初にかぶせる大人は、後に後見職になったりする。裳着の場合はどうなんだろう。
(まひろと宣孝は後に夫婦になるけれど)
まひろは母を亡くし6年が経過。
装束、本当に重そう。とても素敵だし、綺麗だけれど。
実年齢は思春期多感な十代半ばなので、そりゃあ反抗期まっしぐら。
ちはやの死因が本当は殺人だけどそうじゃなかったのを、病死とするのに納得はしていない。
今作は出演者自ら筆を取るシーンが多い。左利きの吉高さん、そりゃあ大変だと思う。

代筆のお仕事をするまひろ

父の目をかいくぐって、絵師のところで代筆の仕事をするまひろ。
当時の識字率は相当低い(庶民は文字の読み書きがほとんど出来ない)はずで、字が上手ならこんな仕事もあったのだろう。
現代でも、習字が得意であれば、のし紙に書く仕事や、神社やお寺のお札に記載をする仕事もあるだろう。
絵師役の三遊亭小遊三師匠は、大河ドラマに出たことで落語会や寄席の高座で、今後は話のネタにでもするのだろう。昨年暮れに落語会に行った時は、卒業が近い林家木久扇(『笑点』の黄色い人)の卒業ネタだった。

姉と仲良しな道長

道長の姉、吉田羊さん演じる詮子は待望の皇子を産んだものの、帝には冷たくされている。
天皇の閨は政治と結びついていたから、好いた腫れただけでは済まないのだろうか。
詮子と道長は仲良しだ。道長の話の端々から、彼に思う相手がいると感じて、楽しそうにする詮子。恋バナ、好きそうね。道長といる時だけ、詮子は楽しそう。
帝のお渡りが一向にない詮子。宮中の女官たちの噂にもなっている。
詮子の産んだ皇子は後の一条天皇で、後年詮子は女御のまま東三条院となる。
街中で猿楽の一座が演じる演目が、詮子と遵子の話をもじっている。
ハルとアキは、『源氏物語』の光源氏編での、広大な六条院の春の町と秋の町の話をオマージュしているのだろうか。

有能な仕事人間、藤原実資

重要な脇役の一人に、帝の秘書のような仕事をする人物がいる。
藤原実資(ふじわらのさねすけ)。本業は芸人である、ロバート秋山さんが演じている。
中の人のイメージとは裏腹に、至極実直で真面目な人柄だし、兼家のような野心家達とは少し距離を置いている。
実際、史実の彼は仕事が出来過ぎる上、常識人だったそうで帝が傍から離さないのでなかなか出世はしなかったそうだ。
史実の実資が遺した日記『小右記』は当時の社会を知る貴重な資料となっている。
実資は兼家が裏で黒い事をやっていることに、薄々感づいている。

道長とまひろの再会

偶然、まひろが蹴っ飛ばした草履が道長に当たり、二人は再会する。
さながら少女漫画のよう。
大人になった道長が誰なのか、まひろは最初分からなかったが、彼の足に付いた傷(兄の道兼がやらかした)で、あの三郎と気付く。
道長、本当はボンボンなのに、当時の移動手段だった牛車にも乗らず、徒歩で粗末な格好をしているから、まひろはまだ道長が上級貴族とは思いもよらないだろう。
まひろだって、貴族の娘なら自由に外出は出来ないのだが。。。

まひろ、父に代筆仕事がばれる

まひろ自身が楽しそうに続けていた(実際やりがいを感じていた)代筆仕事だったが、従者の乙丸が為時パパに漏らしたことで、ばれてしまう。
小遊三師匠演じる絵師おじいちゃんも、為時パパの袖の下を貰い、逆らう事は出来ない。
まひろはまた、自宅に閉じ込められてしまう。
そして三郎(道長)とも再びすれ違う。

兼家パパの暗闇と道兼お兄ちゃんの憂い

ある日の事。
兼家パパに誘われて、道兼お兄ちゃんは出掛ける。
道兼くん、優秀な兄の道隆と愛されキャラの弟道長に挟まれ、ちょっと拗らせている。
本当はお父上に愛されたいのだろうが、肝心の父上は、子供達は自身の野心の駒としか考えていない節がある。
母上の時姫が亡くなっており、理解者はいなさそう。
そして6年前、ちはやを手にかけた事を父に説教される。。。
平安貴族は穢れ(けがれ)をとにかく嫌う。だから、武家の身分は平安時代当時は低い。
にもかかわらず、道兼は自ら掟を破ってしまった。
だから、あの時の従者を、兼家は自ら手にかけた。
「道隆を持ち上げる為に、道兼に汚れ仕事をさせるのだ」と、兼家は誰かに漏らしていた。
弱みを握られた兼家、あろうことか帝お付きの女房を使い、毒を盛るように命じられる。
兼家パパ、そこまでして摂政の位が欲しいのだろうか。。。
道兼お兄ちゃん、本当は「お前はよく頑張っているね」といわれたいだけなのに。
第二回で既に、底知れぬ暗闇を覗いてしまったようだった。

道長、捕まる?!

必死の思いで、鳥の駕籠のような自宅から逃げ出し、街中に出て来たまひろ。
突然、ある男性とぶつかってしまう。
筆袋を拾い、逃げた男性。毎熊克哉さん演じる、謎の男。
(毎熊さんは『まんぷく』の塩軍団の一員や、『どうする家康』でも出演)

放免と呼ばれる、警察の下っ端に追われているらしい。
そして、どういうわけか、道長が捕まってしまう。
名探偵浅見光彦が警察に捕まってもすぐ放免されるのと同様、どうせすぐ釈放されるでしょ、と思いつつ第三回へ続く。

続く





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