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光る君へ 第一回 「約束の月」


はじめに

2024年1月。
今年の大河ドラマは『源氏物語』の著者紫式部が主人公。
百人一首好きだし(中学生の頃は得意だった)、『源氏物語』は古文の教科書は勿論の事、『あさきゆめみし』と『窯変源氏物語』で読んでいたので、とても楽しみにしていた。
※とは言え、昨年の『どうする家康』も毎週欠かさず観ていたし、日本橋の三井美術館で開催していた『どうする家康』展や久能山東照宮まで行ったけれど。
現時点(2024年1月22現在)では3話まで終わり、次回が楽しみだし45分の実感が秒な作品の感想を、自分なりに書いてみたいと思った。
文章は書くのは好きだけれど、筆不精な処もある為どこまで続くか不明だけれど、何卒宜しくお付き合いの程お願い致します。

『あさきゆめみし』大和和紀著。漫画版『源氏物語』で、代表作の一つ。
(以下敬称略)

『窯変源氏物語』橋本治著。原作では第三者目線で描かれた光源氏編を、主人公の光源氏の視点で描いた。光源氏の没後は第三者目線。

初回は子役週&主要人物紹介

物語は紫式部(この中では「まひろ」)と、藤原道長の目線を中心に描いている。
一応藤原一族の端くれだけれど、お仕事に就けないまひろの父藤原為時。学者肌で漢詩や漢文に明るい。
まひろの母ちやは。史実では、紫式部の母君は幼少の頃亡くなっているとの事だが、それはまた後程。演じる国仲涼子さんを久々に観た。
対して、右大臣家の道長君家。兼家パパは三男坊だが野心家で、底の見えない真っ黒さを感じる。演じる段田安則さん、こういう役がお上手だ。憎まれ役を憎たらしく演じて、初めてヒロインヒーローが際立つ。
時姫ママ。演じているのが三石琴乃さん。声優さんなので、声が美しい。長男道隆だけでなく、次男道兼、三男三郎(後の道長)にも分け隔てなく接する。
兼家には、嫡妻(=北の方)と呼ばれる時姫の他に、妻がいる。有名なのは『蜻蛉日記』で知られる藤原道綱母だが、3回時点まででまだ登場せず。演じるのが財前直見さんで、登場するのが楽しみすぎる。

豪華な脇役・・・藤原だらけ

安倍晴明、物語冒頭に登場。晴明を主人公にした映画もあるけれど、この物語での彼はお腹に一物二物もありそう。兼家パパに命じられ、調伏、つまり呪いまで承ってしまう。
円融天皇、兼家を目の上のたん瘤と思っている。兼家の娘詮子|(=後の東三条院)とは当初は仲睦まじかったが、中宮、つまり帝の正妻には藤原遵子|を選ぶ。歌舞伎役者である坂東巳之助さん、気品ある帝を上品に演じていると思う。遵子さん役の中村静香さんは2時間ドラマ『法医学教室』シリーズの南ちゃん役。彼女は道長の親友&ライバルの藤原公任の姉でもある。
後にまひろの夫になる藤原宣孝、初回からちょこちょこ登場。まひろの父為時パパの親戚で、同年代だった。史実でも、二人は親子ほど年齢差のある夫婦だったようで。佐々木蔵之介さんが旦那さん役とは。
かつて民放ドラマで主人公役だった俳優さん達が脇役を固めるって、それだけ時間が経過していることもあるけれど、かなり豪華だ。
師貞親王、東宮(春宮とも)、つまり皇太子。真面目で大人しいかと思いきや、どっこいこれがクソガキで(褒めてます)。為時パパは兼家パパに命じられてこのぶっ飛んだ親王殿下の師匠になるのだが。。。これは教え甲斐がありそう。もとい、頭痛の種だろうか。この先、彼(=後の花山天皇)が帝位に就いた暁には。。。と、ここではネタバレになりそうなのでやめておく。

ところで、登場人物のほとんどが藤原姓でごっちゃになりそう。
これは相関図がないと、難しい。

キターーーーーー! 『若紫』のあのシーン


大河ドラマの脚本担当である大石静さん曰く、『光る君へ』の中では、『源氏物語』のオマージュを散りばめているそうで。
初回からあのシーンが登場して、SNSでも盛り上がった。
『源氏物語』で、主人公光源氏が、幼い紫の上を京都北山の山荘で見かける、あのシーンのオマージュだ。

「雀の子を、犬君が逃がしちゃったの」と、幼い紫の君が泣きじゃくって、祖母の尼君に叱られる、あのシーンだ。
光源氏はその様子を垣間見て、彼女が藤壺の女御に瓜二つであることに気付く。

まひろは、家で籠の中に小鳥を飼っていたが、ある時うっかり逃がしてしまう。そして、追いかける時に鴨川の川べり迄出て来て、庶民の姿に身をやつした三郎に出会う。三郎の方が本当はお坊ちゃまだけれども、粗末ななりをしているし、そもそも牛車にも乗っていない。
父に似て(?)何故か漢文が得意なまひろと、「名前が書ければいいや」な道長。
後の天下人と、その庇護のもとで世界最古の長編小説を書く作家との出会いは、視聴者の心をくすぐるシーンだった。
まるで少女漫画か。はたまた韓流時代劇か、または民放の恋愛ドラマか。
今後物語はどうなっていくのか。一気に引き込まれた。

全く平安ではない、平安大河。

為時パパが、ようやく皇太子の師匠の職(多分バイト)を得て、まひろの実家は少し収入が入るようになる。
母ちはやさんの装束を売ってお米に代える苦労も、天井が壊れて雨漏りするストレスからもおさらば出来ると思ったのも束の間。
お礼参りに行った先で、母ちやはさんが命を落としてしまう。
それもまさか、道兼に殺害されるとは。。。
でも、差し障りがあるので、母は「病死した」とする為時パパ。
子どものまひろにはそれは到底理解できないだろう。
CMなしで60分、あっという間の初回だった。
第2回からはまひろは吉高由里子さんにバトンタッチ。
平安時代は戦がなくて、平和でしょ?のイメージを、良い意味で壊してしまう初回。
『鎌倉殿の十三人』『どうする家康』に次ぐ、ドロドロ大河になりそうで、これは初回から引き込まれた。

小ネタ:初回の主題は紫式部の和歌から?

「めぐり逢いて 見しやそれともわかぬ間に 雲隠れにし 夜半|《よわ》の月かな」
百人一首に選ばれた、紫式部の有名な和歌がある。
ようやく女友達と再会できたのに、それがあなたと分かるかどうかと言う間に別れてしまった。まるで雲に隠れてしまった、夜中の月のように。

初回のサブタイトルは、まひろと三郎が再会を約束した事と、この和歌からなぞっている、のだろうか。
ちなみに次回は「めぐりあい」。これもこの歌から引用したっぽい。

続く。







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