漫画の描けない漫画家志望の足掻き 貸しスタジオ編
私の漫画かかけない日々はまだまだ続いている
次は何をしようかと考えていると
家の近くに貸しスタジオがあるのを思い出した
バンドなどが音合わせなどに使う場所だ
取り合えず検索をして予約を取った
一人なので一時間千円もかからない料金で
楽器などはすべて無料でレンタルできるとのことだった
翌日の夜
私はその貸しスタジオに向かった
中学から高校にかけてまで少しだけ軽音楽部に入部していたこともあり
ギターのコード弾きやドラムのエイトビートなど基本的なことはできるのだが
きちんとした貸しスタジオに入るのはほとんどなく
実際にはとても緊張していた
数年ぶりに見る大きなアンプやきちんとしたドラムセットは
ライブで見るようなちゃんとしたもので
これが使い放題なのだと胸が高鳴った
とりあえず何か曲を弾かなければ始まらないので
直前に購入したチャットモンチーのバンドスコアを開いた
レンタルのギターは少しなりが悪く
それに私のギターを弾く指も柔らかくて出来上がってはいない
アンプもエフェクターも私には手持無沙汰で
ペンペンとギターを弾いてしばらくすると飽きてしまった、
まぁさすがにぎゅいんぎゅいんと弾けることには期待していなかったけれど
こんなにも弾けないものかと少し悲しくなってしまった
ダルそうな感じでギターを弾いているバントマンたちも
毎日ちゃんとギターを弾いて手が鈍らないようにしていると考えるとそれはそれでかわいらしくも思えてくる
シンガーソングライターも好きだけれど、私はやっぱりバンドのグルーブ感が好きなので、高校生の頃はバンドが組みたかったよなぁ
結果としてバンドは組めたのだけれど、
メンバーの子がほかのバンドで忙しかったり、受験勉強を始めたりと、
みんなどんどん離れて行って私の熱だけが空回りして、
そして私のバンド熱も冷めていって
結局2、3回ライブをしてやめてしまった
それから私は人と何かを作り上げるということが苦手になってしまって
行きついた先が一人でもできる漫画という表現方法だった
今はその魅力に取りつかれてしまっているし
担当編集に「漫画は一人でも作れるので」というと怒られたりもしたのだけれど
根本的にそう思うところがあって今も続けられているというのは大きい
せっかく貸しスタジオを借りて、楽器を楽しく弾ける環境に来たのに
再確認したのは私が漫画を描く方が楽しいと思えることと
一人でしか行動できないというコミュ障の側面だった
でも楽器を弾きながら歌うのは楽しいので
お金持ちになったらいいアコギを買って
たまに弾き語りでもしたいなと思えた夜になった
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