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#ゆたかさって何だろう

「豊か」と聞いて私が真っ先に思い浮かべるのは、実家で暮らす祖父母との日々だ。

学生時代1年間留学を経験していた私は、帰国後約3ヶ月の休学期間中、祖父母と生活を共にしたことがあった。
朝ごはんを食べ、畑へ行って農業のお手伝い。一度帰宅してお昼を取り、10時と3時のおやつを挟んで仕事を終える。それから晩御飯の支度をし、母も加わり夕飯を囲む。お風呂に入って就寝。
私が小学生の時から、このルーティーンは変わっていない。
それなのに、一緒に過ごしていて、一日も同じ日だなんて感じたことはなかった。一日一日の輪郭がちゃんとあった。

あれからもう5年。私は社会人4年目になった。
時々ふと立ち止まる。毎日同じような日々だなって時々思う。
自分で稼げるようになり、都会に住み、実家にいた時よりも物質的な豊かさは高まった。
仕事もそれなりにこなせるようになったし、将来の夢もある。
だけど、心は常に何かに追われていて、満たされない。
ふっと、「今日もやりきった〜」とため息をつきながら、駅のホームで祖父母との日々を思い出す。

なぜ彼らの生活が鮮やかだったのか。
それは、「今」がちゃんと存在していたからなのではないかと思う。
「衣・食・住」という生活を送る上での土台を毎日大切にすること。
適度に運動をすること。
家族や周りの人を大切にすること、助け合うこと。
仕事には一生懸命取り組むこと。
生かされていることに感謝すること。

一見生きていく上で当たり前のようなことだが、日々追われる日常の中で、ないがしろにしていることは多い。

住む空間を心地よく、よく食べて、よく寝て、人と話す。
この循環さえしっかりできていれば、日々の中で感じる幸福度は上がるのではないか。
そう思い、少しずつではあるが、衣食住を整えている、今日この頃だ。


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