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太田酒俱楽部オンラインマガジン

全国の居酒屋をめぐり、数多の著作を世に問うてきた 居酒屋探訪家・太田和彦のオンラインマガジン。 毎月2回更新される「コラム」「フォト日記」「太田図書館」「お便り交歓室」など多彩な… もっと読む
好評の「コラム」「フォト日記」に「太田図書館」「お便り交歓室」を加えた、太田さんの魅力たっぷりの品… もっと詳しく
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2023年2月の記事一覧

盃つまんで Vol.46

「子供時代を訪ねて1」 年齢七六歳となれば、体が動くうちに行っておきたい地が浮かんでくる。多くは、幼い頃に住んでいた所だ。  私の一家=父・母・兄(昭和一九年生・二歳)・私(昭和二一年生・零歳)は、昭和二一年三月、敗戦後の北京から故国日本への引揚船に乗った。生後三週間の私は、底までぎゅうぎゅう詰めの船内ではもたないだろうと言われ、父は水葬に使う新品の日の丸旗を用意したが、幸い使われることなく長崎佐世保に入港。長崎大村の母の実家に落ち着いた。母は母乳が足りず、向かいのお宅に私の

太田図書館 #22

フォト日記 Vol.45

盃つまんで Vol.45

「銀座の念願を果たす」 いつからか「天丼」が大好物になった。  天ぷら屋は天ぷらばかり続き、目の前で揚げてさあすぐ食べろと、ペースが向こう任せで次第に飽きてくる。「塩でどうぞ」と余計なことも言う。天ぷらは天つゆに浸してこそ完成で、ご飯によく合う。したがって天丼。ウチは天丼なんかやりませんという高級天ぷら屋もあるけれど大間違いですぞ。天ぷら盛り合わせ・ご飯・赤だしの「天ぷら定食」もダメ。あくまでおいしいつゆがほどよくしみたご飯あってこそ。

お便り交歓室 Vol.18