見出し画像

忘れもしない日 ~人生のターニングポイントvol.4~ 切断後からポータブルトイレ成功まで

マズローの法則を知っていますか?

マズローの法則とは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されているとする心理学理論です。

マズロー

アメリカの心理学者、アブラハム・マズロー(1908~1970)が考案したもので、
「マズローの欲求五段階説」「自己実現理論」などと呼ばれることもあります。

マズローの法則によれば、人間の欲求には
「生理的欲求」
「安全の欲求」
「社会的欲求(所属と愛の欲求)」
「承認欲求」
「自己実現の欲求」
の5段階があります。

そして、これら5つの欲求にはピラミッド状の序列があり、低次の欲求が満たされるごとに、もう1つ上の欲求をもつようになるのです。

自分が事故に遭って、気づいたことの一つに
「このマズローの法則って本当やったんや」
ということです。

高熱が続き、ご飯も食べれず、寝れず、死にそうになっていた時は、一番下の生理的欲求の階層にいたと思います。

その上の階層の欲求など出てくるはずもありませんでした。

マズローってすげーってなりましたね。

切断した後からは、徐々に上の階層の欲求が出てくるのが、自分でわかるんです。
この経験が出来たことも、今は財産です。
※なんでマズローさんは、この欲求の階層にたどり着いたのか不思議です。

1月27日(水)
13時、一般病棟の個室に移ります。まだ、熱は38度くらいは出ていましたが、40度を連発していた体にとって、38度は楽勝でした。夜には、36度台に下がり、それから発熱することは無くなりました。
点滴は、常時ついた状態

1月28日(木)
15時 ポータブルトイレでの排泄に挑戦するも脚の痛みで断念( ;∀;)
私は、あきらめの悪い男です。
19時 再度ポータブルトイレに挑戦。→ 失敗
22時 ポータブルトイレに挑戦 → 失敗

見かねた看護師さんが、優しく「ベッド上でしていいよ」と言ってくれ、
ベッドにおむつをひいてくれ、寝た状態で排泄できる福祉用具を持ってきてくれました。
しかし、『やってみてわかる、出らんやつやん』

寝た状態で、排泄するって難しい。まず、羞恥心、次に腹圧がかからないなどなど出ません。ポータブルトイレにも移れません。

その日の日記にはこう書いています。
今日、初めてベッド上に座れた。
そして、窓から八幡の街が見れ、うれしかった。
しかし、その後、ポータブルトイレに挑戦したが、あしの痛みで失敗に終わり、すごく悔しかった。
今はまだ、目の前のポータブルトイレにさえ、移ることが出来ないのか!
一人でトイレできないのか!

1月29日(金)
手術後から、毎日、採血がありましたが、この時の私は、栄養状態も悪く、点滴や採血で血管は細くなり、固くぼろぼろの状態だったため、なかなか血が取れず、何回も針を刺されるんです。
看護師さんたちが、並んでるんじゃないかと思うくらい、
「私にはできん、ほかの人呼んでくるね」と何人もかわるがわる採血に挑戦される。
で、最後には小児科の先生が来て、一発で血管を仕留めてくれる。
さすがです!小児科医師!

またまたまたまた、ポータブルトイレに挑戦。
結果は・・・失敗。

この時の日記には、
目の前に(ベッドの真横)あるのに、今の自分には遠い。
早く自分の力だけでトイレをしたい。

1月30日
この日は、かなり寝ていた。(睡眠薬の力はおかりしていますが、やっと眠れるようになって来た)
この日も、ポータブルトイレに挑戦し、失敗。

1月31日(土)
17時 ポータブルトイレで、排泄(大の方)成功!
しかし、この後にお見舞いに来た母親の言葉を今も忘れません。

17時過ぎに、病室に来た母親に「ポータブルトイレに移れたよ」と伝えようとしたその時・・・

母親の口から衝撃の言葉が
「なんかクッサ!うんこくさ!」

いやいや、確かに臭いと思うよ。でも、きて速攻窓全開にせんでいいやん((+_+))

この日の日記には、
ポータブルトイレで大便成功。
一人でトイレに移乗し、一人で用をたし、一人でふき、一人でベッドに戻れた。
すげー感動!すげーうれしい!
(たぶん、普通に人にとっては、トイレに行くとか、夜眠るとか、ご飯が食べれるとかって、当たり前のこと過ぎて、その日常生活が当たり前に出来ている凄さや喜びに気づかないはず。当たり前のことが、当たり前に出来るって凄いことなんですよ!

しかし、この移乗の際に手の甲につけていた点滴をつぶしてしまった。
ショック!!また、痛い思いをしないといけない・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?