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R帝国 2022.8.29読書記録

はじめに


読んだ本 R帝国(中公文庫)
著者   中村文則

ピースの又吉さんが好きな作家に挙げており、又吉さんが好きな私は、
以前から中村文則作品を読んでみたいと思っておりました。

教団Xは、教団という名前にびびったので、R帝国を選択。
予備知識ゼロで読んでます。
ネタバレします。
よろしくお願いします。


あらすじちょろっと


読み出してすぐ、伊坂幸太郎の「火星に住むつもりかい」を思い出しました。
どちらも、監視社会のディストピアものだからでしょう。
ここで私は、「中村文則は、伊坂幸太郎みたいな作風なのか。やった!好きだ。」と思いました。
のちにこれが痛恨のミスであったことがわかります。

R帝国は、一見いい感じの民主主義国ですが、
8割以上が貧困層で、しかし当人たちは自らを貧困層とは認識しておらず、
えらい人たちに搾取される日々です。

現在よりテクノロジーが進んでいるようで、
AI搭載の携帯電話、「ヒューマンフォン(通称HP)」を一人一台持ち、
人々は思考する作業をHPに丸投げしている様子。
なんやかんやと理由をつけて、あちこちに監視カメラなどが設置されてますが、それに文句を言う人はいません。

そんな中、矢崎のHPが不思議なメールを受信します。
それは、体制に抵抗するものたちの、開戦の狼煙でした。


感想


ハッピーに終わらなくて、びっくりしました!
何しろ伊坂幸太郎だと思って読んでいたので、
いつ話がひっくり返って、ハッピーになるんだろう。
いつヒーローが現れて、あの偉そうな人たちをぎゃふんと言わせてくれるんだろう。と、期待をしていたのです。
(伊坂作品は必ずハッピーエンドとは限りませんが、いつも希望があります。)

ところが、残り5分の1になってもそんな兆しがない。
え、あと20ページしかないんだけど?
……なんて悲しいラスト!!

読み終わった私は、すぐにネットで検索しました。
「R帝国 続編」と…

そこで知ったのは、中村文則の作品は暗い、ということでした。
なんてこった。

さらに、「著者は昔は暗い性格だったが、そのせいで周りに迷惑をかけたので明るくなった。しかし作品は引き続き暗い。」という情報を知り、
なんておもしろいんだ…となりました。

近々教団Xも読もうと思います。


この本から得たこと(大袈裟に言えば)


少数の偉い人に操られるその他大勢、という図式はどこにいても同じであると思う。
悪いことでもないし、社会はそんなものと言えばそんなもの。
ただ、それを認識しているかいないかで、違うと思いました。
認識した上で、選択できるような人間になりたい。

私には、非常に漠然とだが、世界平和に貢献したいという目標があって、
それは自分が幸せに暮らしたいというエゴから出ているものである。
何をしたら良いかもわかっていない。
本書を読んで、具体的にアクションを考え、行動して行きたいと思った。
「L」のような大胆なことは何一つできないが、
自分で自分を嫌いにならないよう、頑張っていきたい。


お読みいただきありがとうございました!

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