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【小説】肥後の琵琶師とうさぎ13

  毛玉と私はすでにあの黄泉地で魂の抜けた腑抜けで、ただ欲ばかり大きく、それも自分のことすら後始末ができていないのに他人のことには厚かましく幸福を願ったりしているので、神様たちもほとほと呆れていたのだ。
 思いが届いたとまでは思わないが、願いが叶う機会は与えられたのだ。願いが叶うとき願掛けの紐が切れるように、毛玉の仔うさぎたちは救われ、私の眼球は、娘は、その連鎖から救われたはずだった。

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