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起業はツラいよ日記 #27

まさにタイトル通りの内容を書きたい気持ちになってきた。何がツラいかといえば、お金に悩まされることである。出版業は儲からない。それは多くの人が知っていることだろう。しかし、わたしは本を出し続けたい。「好きなことやっているなら良いじゃないか。自腹を切ってやってたら?」そう頭の中から声が聞こえる。それは無理だ。貯金にだって限界があるのだ。そもそも、妻から貯金には一切手をつけないでと釘を刺されている。

わたしには、たまに読み返したくなる雑誌がある。それがこれ。『SPECTATOR』の「WORKINGー再考・就職しないで生きるには?」号である。

2010年に出版されたものだ。もうかれこれ14年前にもなるのか。これは出版当時に購入したものではなく、数年前に古本屋で見つけて購入したものだ。2010年当時は、まだ新卒で企業に就職したばかりで会社員を続けることしか頭になかった頃だ。本屋さんでこの雑誌を見かけたとしても手に取ることはなかっただろう。それが時を経て、”ひとり出版社”を創業し「就職しないで生きるには?」という問いに真剣に向き合っている。不思議なものである。

弊社から出版している書籍『B.E.』の次号の特集テーマは「食べること」だ。動物倫理やヴィーガニズムを踏まえての記事も作っていくのだが、食べることと働くことは切っても切り離せない関係にあるだろう。わたしたちは、食べるために働かなくてはならない。狩猟採集時代であれば、腹が減ったら動物を狩り、魚を釣ったり木の実を集めてその日暮らしをしたり、農耕時代には作物を育てて収穫していればよかった。しかし、現代はそうではない。働いて賃金を貰わなければ食べ物を手にいれることができない。定額減税で4万得をして喜ぶ時代だ。

就職しないで生きること、それはとても魅力的だ。どこで働いても自由、時間の使い方も自由、仕事をするもしないも自由。だけど収入は安定しないから本当に大変。本当にツラい。「会社員をしていた方が楽だった」という考えが頭をよぎる。しかし次の瞬間には「本当にそうか?」と思い直す。この繰り返しだ。

この繰り返しこそが、わたしの人生なのだと思う。

わたしの人生には会社員の人生しかないと言い切る人も、会社員なんてまっぴらゴメンだと言い切る人も、どちらも自分の人生に間違いはないと思えている人。それはちょっと羨ましい気もするけれど、危険にも思える。

絶対に正しいことなんて無いってもう気づいてますよね?

ツラいツラい言いながら、迷いながら愚痴を言いながら、わたしは本を作っていきます。会社のお金が無くなったらどうしようと毎日考えていて、本当にお金が無くなったら本を作れなくなってしまうし、生活できなくなる。怖い、怖すぎる。

やばい、堂々巡りしているのでこれくらいで筆を置きます。

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