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まんまで美味しいサンマ
昨日の続き。
長いことブログやってきて続きを書くのは初めてかもしれない。
唯一秋らしいことといえばサンマをよく食べている。
別に小さい秋みいつけたと言いたいから食べているわけではなく単純にサンマが好きなのだ。
夏や冬にでも用意してくれるなら関係なくどんどん食べたいのだが、こんな風に旬をないがしろにしているから僕は季節の移り変わりに敏感になれないのだろう。
今年も「秋だなぁ。」としんみり感じる前に5匹も食べてしまった。
確かに旬といわれる時期のサンマは美味しい。
その中でも明確に当たり外れがあって、当たりのものは身がふっくらしてるし脂は乗ってるし、何より内臓が苦くない。いつもは残す頭の部分もくり抜いて食べてしまうほど美味しいものがある。
今年すでに腹の鞘に収めた5本の中にはそのような名刀はなかった。
秋の名刀「頭スコーンと割って脳みそちゅーちゅー吸うたろかサンマ」にはなかなか巡り会えない。
試行回数を増やすために外でも食べるようにするのだが、食べるのに時間がかかることが難点だ。
この前も会社の食堂のメニューにサンマがあったので食べた。
会社の昼休みは1時間あるのだが食後に必ず仮眠を取るようにしているので、昼ご飯は15分くらいで済ませている。
相手が魚であろうがササっと食べてしまいたかったが前に一度特技の欄に
・ご飯をキレイに食べる
と書いたことを思い出し時間をかけることにした。
架空の姑に試されているかのような気持ちで細かい骨まで箸で丁寧に取り除き、身をほぐして食べる。
結局食べたサンマはいわゆるハズレだったが、骨と頭と尻尾だけがキレイに残ったお皿は十分に達成感を与えてくれた。
なんだか誇らしくなって、会計のときに食堂のおばちゃんがコメントしてくれるのではないかと思ったがそんなことはなかった。
サンマを食べたせいでいつもの仮眠時間が取れず午後はずっとウトウトしていたが、この日会社で1番キレイにサンマを食べたという自負があったのであまり気にしなかった。
それから1週間後の今日、ようやく「頭スコーンと割って脳みそちゅーちゅー吸うたろかサンマ」に出会うことができた。
いつもは口に入れるまではどっちか分からないスリルが多少あるが今回だけは当たりであることを確信できた。
珍しく自分で焼くことになったのでパックから取り出し水でささっと洗ってやる。
今にも泳ぎ出しそう、とは言わないが身がしっかり詰まってハリがあることが確認できた。
塩を振ってグリルに置いてやると尻尾がはみ出してしまった。
うちのサンマの大きさがグリルの設計者の想定を超えてしまってすみません、なんて喜びながら尻尾を押し込み、タイマーで8分セットし火を入れる。
あとは焦がすことさえなければ美味しさが約束されている!と思うとどうしてもグリルを開けて確認する回数が増えてしまう。
無駄な確認によって下げられた温度を追加の2分で補い、満足がいく焦げ目が出来上がった。
味に関しては言うまでもなく求めているものそのものだった。
僕は毎年「頭スコーンと割って脳みそちゅーちゅー吸うたろかサンマ」に出会うまでは秋に気づけないのかもしれないと思った。
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