統一協会の被害隠しの悪だくみ?と「和解攻勢」に潜む危険(一部改訂)

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-11-11/2009111115_01_1.html

新世事件で統一協会系の関連会社が摘発されたとき、短い間ではあるが、統一協会が「和解攻勢」に出て、被害者に対し、言いなりの金額を支払い、刑事告訴されないような動きに出たことがあった。推測であるが、捜索時に顧客名簿を押収されたため、被害者に警察が被害者に接触して追加で立件するのを防ぐべく統一協会側が購入者に返金する攻勢に出たものと考えている。日本の統一協会の実態は宗教を名目にした集金(金銭収奪)組織であり、日本人から収奪した金を韓国に送金する役割を担っている。故に、統一協会は一時的な出費により、警察の捜査や宗教法人法上の解散命令を回避し、将来的にも金銭収奪を続けやすくするという戦略を取るのである。
実際、新世事件の刑事事件が終わり、コンプライアンス宣言?が出た後も統一協会による被害は続いているし、訴訟においても徹底的に争う方針に変わりはない。

悪質商法などの被害救済を進めることを目的とした関係省庁連絡会議の第1回会合が18日、法務省で開かれ、9月初旬から約1カ月間を被害相談の「集中強化期間」とすることを決めた。

統一協会は、今回も新世事件同様の和解攻勢に出ているようであり、各地の消費者センターや霊感商法対策被害弁連のメンバーである弁護士に対し、各教会の責任者クラスや交渉担当の信者が「問題があれば誠意ある対応をします」と呼ばれもしないのに「営業」をかけている様子である。

実際、新世事件の刑事事件が終わり、コンプライアンス宣言?が出た後も統一協会による被害は続いているし、訴訟においても徹底的に争う方針に変わりはなかったことに鑑みれば、その目的は、被害相談「集中強化月間」において把握される被害件数を減らすこと(被害隠し)にあり、法務省が実態把握しようとしている被害実態を意図的に小さく見せようとする、不当なものであると考えるのが合理的である。

もう一つ問題点がある。統一協会の被害者が相談時に考えているよりも、被害の実態が大きいことが多いことである。統一協会問題について専門的な知見を持つ弁護士が丹念に聞き取りを行い、関係資料を検討していくと、被害額がどんどん膨らむことが多い。適切な例えかどうか分からないが、借金をしまくっていると自分でも全体額が分からなくなるように、献金させらたり、物品を購入させられたりが日常化していると、統一協会に収奪された金額が自分でもあやふやになるのであろう。
要するに、統一協会の「和解攻勢」に飛びつくことは、被害の実態よりもはるかに少額の和解をさせられてしまうリスクが高いのである。これは、統一協会の手元に不法な収益が残ることに繋がってしまう。合意書を書かされても、後に無効に出来ることはありますが、これは、合意書を書かされた状況などによりケースバイケースの判断になるので、後から無効できると安易に考えたら、大間違いである。
さらに言えば、一般的に訴訟外の和解の当事者に統一協会は入らない。和解の当事者として支払い義務を負うのは献金に次ぐ献金で資力が乏しい信者であり、統一協会に対する請求は放棄させられるのが普通である。資産がないから強制執行も難しいし、自己破産でもされたら、それまでである。「和解攻勢」に応じて、素人考えで和解をすると金額面以外でも、思わぬ回収リスクを負いかねないから、注意が必要である。

加えていえば、被害者が統一協会と消費者センターあるいは弁護士抜きで「サシ」で交渉すると、統一協会が被害者を統一協会に引き戻すリスクがあり、被害が再燃するリスクがある。

どの教会、交渉担当がどの消費生活センターに来訪したか、誰が来たかなど、消費者庁地方協力課に集約すれば、統一協会による和解攻勢の意図を挫くことが出来る筈である。河野消費者担当大臣の采配に期待する。



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