【アイドルオタクと人種差別】3.続・アメリカにおける「人種差別問題」

ホ、ホワイトハウス訪問…だと!!??
なにそれ聞いてないんだけど!!??

(そりゃそうだ)



というわけでグラミー賞直前に投稿したっきりなんやかんやあって全然書く余裕がなかったのですが、ようやく落ち着いてきたので前回の続きを急ピッチで仕上げていきます。

1.黄禍論とは


まずは、2022年のグラミー賞直後に起こった炎上案件。
これについてはARMYの皆さんにはご説明するまでもないと思います。
(以下、例の当該ツイートのスクショと添付動画のGIFを載せております。不快と思われる方はサーッとスクロールお願い致します。)


これはもしや、炎上商法という名の「釣り」なのでは?と疑ってしまうレベル

個人的に証拠として残しておきたかったので
録画しちゃいました☆てへぺろ☆
まさかこんなところで使う日が来ようとは!(白々しい)

なにかしらあるとは思っていたので、このツイートが出回ったときは「あ~やっぱり来たかぁ~」くらいにしか思いませんでしたが(粛々と通報→2万件以上の引用リツイートで批難轟々の末に削除、謝罪の有無は不明)この動画を見て改めて思ったのが「『黄禍論』はいまだ根強く残っているのでは?」という疑問でした。

黄禍論(こうかろん、おうかろん[1][2]、独: Gelbe Gefahr、英語: Yellow Peril)とは、19世紀後半から20世紀前半にかけてヨーロッパ・北アメリカ・オーストラリアなどの白人国家において現れた、黄色人種脅威論。人種差別の一種である。

Wikipediaより

前回お話しました「ジャパンバッシング」や、「アジア系人種は疫病を持ち込む」という思い込みなども、この黄禍論に含まれます。
動画内でテテが咳をして(いるかのような音声をわざわざ付け足して)ウイルスをばら撒いているように見える編集をしたのも、黄禍論を強調するためかと思われます。
なんだか改めて文章にすると非常に悪質ですね…。こういう悪意のある加工をした動画を公式マークがついてるメディアアカウントで公開しちゃうんだから驚き…。

ざっくり言うと、「あらゆる事柄において白人種を脅かそうとする黄色人種は排斥(せよ/したい)」という気持ちの表れが「黄禍論」です。
黄色人種が脅威だと感じられたとき、白人種は途端に黄禍論を唱えるわけです。その根っこにあるものって、つまり白人主義的思想なんですよね。
米前大統領が「チャイニーズ・ウイルス」と事あるごとに連呼したのは、黄禍論以外にも中国との関係や自身の選挙戦のためなどさまざまな理由があるとされていますが、この「チャイニーズ・ウイルス」発言が各地で想像以上の影響力を及ぼします。

(上記の記事は中編もあります。下編記事内のリンクからご覧ください。)

米前大統領の「チャイニーズ・ウイルス」発言以降、アメリカ在住のアジア系アメリカ人及びアジア系人種の人々が、暴力事件の被害者となるケースが急増。加害者は白人だけでなく黒人のパターンも。ニュース番組でその実態をご覧になった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ジョージ・フロイドさんの件でBlack Lives Matterが広がっていたのに…。
BTSもその運動支援で寄付してましたよね?
それなのに、どうしてこうなってしまったのか…。
…と、嘆いていても仕方ないので、そろそろ総括に入ります。

いまだ根強い黄禍論と、「チャイニーズ・ウイルス」発言の影響力の高さ。
コロナ禍で分断するアメリカの現状を知った人々の関心は、次第に「Black Lives Matter」から「Stop Asian Hate」へ。
今回ホワイトハウスに招かれることになったのも、世界的な人気を誇る彼らが「人種差別を受けた経験があるアジア人」だからこそ、と考えれば、驚きはしますが納得できる話にも思えてきます。

常にK-POPアイドルとして前人未踏の地を歩んでいるわけですから、なにが起こっても、それは想定内の可能性もあれば、予想の範疇を超える可能性もあります。誰も歩んだことのない、前例のない道なのだから当然です。
正直に言えば、このカムバとFESTA直前で一番忙しい時期に何故??とは思いますが、ホワイトハウス訪問自体は純粋にすごい…!と思います。
いろいろ思うところがある方もいらっしゃるかもしれませんが、周囲のノイズは気にせず、彼らには彼らが信じる道を歩んでほしいなぁと思います。


2.差別や偏見に対する考え方の提案


提案と言うと大袈裟な気がしますが、私が理想とする差別や偏見に対する考え方や対応の仕方をお話したいと思います。

①差別・偏見の根絶は不可能
のっけから夢も希望も無くて申し訳ないですが、この世界から差別や偏見を完全に消し去るのは残念ながら不可能です。
ただ、「根絶」は出来なくても「減少」させることは出来ます。

②思うのは自由
人間は誰一人として同じではありません。親子間または兄弟間でも、まるで違う性格や思想を抱いていても不思議ではないですよね。
生まれ育った国が同じor違う、人種が同じor違ったとしても、全ての物事に対して意見が合致する人間にはそうそう出会えません。

誰の心にも無意識な差別や偏見があります。当然私も例外ではありません。
問題は、「その思いをどう処理するか」ということです。

③表に出さない、言動で示さない
上記の答えはこれです。至ってシンプルです。

例えば、白杖を持って歩いていた視覚障がい者の少女がサラリーマンの男性に後ろから飛び蹴りされた事件。結構前の事件ですが、衝撃的だったのでとても印象に残っています。
男性の言い分では「ぶつかってきて腹が立った」とのことでしたが、白杖を持って点字ブロックの上を歩いていた時点で少女が視覚障がい者であることはわかっていたはず。「ぶつかったのは故意ではない」のは明らかです。
それでも男性は怒りを抑えられず、ぶつかったあとになにが起こったのかわからないまま再び歩き始めた少女に対して、あろうことか飛び蹴りを食らわせました。「なにか(誰か)とぶつかった」と不安になっていた少女に追い打ちをかけるようなものです。
その後男性はすぐに周囲の人々に取り押さえられたそうですが、このように感情を抑え切れなかったことで生まれる悲劇は数え切れないほどたくさんあります。
この場合、男性が怒りを抑えて冷静さを取り戻していれば、「ぶつかる」ことは防げなかったとしても、「飛び蹴り」を防ぐことは出来たでしょう。

もうひとつ例を挙げます。こちらはアジア人女性に対する暴力事件で話題になったニュースです。

他にもアジア系の女性が狙われ、被害に遭った憎悪事件(ヘイトクライム)は多数あります。
中でもこの事件が印象に残っている理由は、容疑者の犯行ではなく、周囲の人々が誰も被害者を助けることなく見て見ぬふりをしたからでした。

目撃者にも非難

SNSに投稿された動画では、容疑者が女性の頭部を繰り返し蹴る様子が撮影されていた。また建物内で配達人やスーツ姿の男性が事件を目撃しており、男が去った後、ドアを閉めようとする男性の姿も映っていた。SNSには男性らが女性を助けようとしなかったとして、非難する声が寄せられていた。
(中略)
事件が起きた建物の前には、暴行を傍観していたとして職員らを非難する張り紙が掲示されていた。

MashupReporterより

おそらく、この建物内にいた男性らも、容疑者と同じく「アジア人に対する差別感情が少なからずある」ということの表れだったのでしょう。
実際に犯行に及んだ容疑者は論外ですが、一部始終を目撃しておきながら、通報も救助もせず、「関わりたくない」とでも言うようにドアを閉めた。
目撃者の誰か一人でもそれに異を唱えて女性を助けていれば、状況は全然違っていたと思います。

たとえ差別感情があったとしても、表に出さない、言動で示さない。
これは容疑者にも、傍観者たちにも言えることです。
NY在住のアジア人女性がウイルスを持ち込むなんてことはあり得ません。当然ながら彼女にはなんの非もありません。そんなことは容疑者も傍観者たちも頭の中ではわかっていることでしょう。
それでも、アジア人に遭遇すると、「チャイニーズ・ウイルス」発言が頭を過って、冷静さを欠き、やり場のない怒りやストレスの捌け口として暴力行為に及んでしまう。
感情に支配されると、人間は思いも寄らない行動に出るものです。
ですが、この場合も、差別感情や怒りを抑えられれば防げます。
行動に移す前に、今一度自分のやろうとしていることの重大さに気付いて、冷静さを取り戻してほしいと思います。

ちょっと長くなりすぎました…。でも、あながち的外れでもないのでは?とちょっぴり思っています。
差別や偏見の根絶が不可能ならば、少しずつでも「減少」を目指すところから始めていくのが大切ではないでしょうか。
思うのは自由、でも表には出さない。
それを一人一人が心がけるだけで、差別・偏見による被害の減少は見込めるのではないかと思います。

私の提案こそが理想論、と言われればまさにその通りです。ぐうの音も出ません。ですが、現時点では他に良い案は思い浮かばないのです。
もちろん、白人・黒人・アジア人など人種関係なく人種差別反対思想の方はたくさんいらっしゃいます。
逆に白人至上主義者だったり、人種差別を経験してうんざりしているはずなのにアジア人には差別的言動をする黒人の方もいるわけですから、これはもう人によりけりです。
コロナ禍がもたらしたのは、感染症だけではなく、人々の分断です。
医学の進歩により感染症はスピーディーに抑えられたとしても、人々の離ればなれになった気持ちを結び直すのは容易ではない…と、今日までの歴史がそれを物語っています。


3.アメリカにおけるアジア人(黄色人種)の立場


ここまで「アメリカにおける人種差別問題」と題して書いてきました。
ド素人がインターネットを駆使して私見を交えながらまとめただけの記事ですが、「アメリカにおけるアジア人(黄色人種)の立場」とはどういうものなのか、その実態についてほんの少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

もう少し時間があったら、池城美菜子さんの「アカデミー賞のウィル・スミス平手打ち事件」の記事にちゃんと目を通して感想を書きたかった(リンクだけ下に載せておきます)ですし、おススメというか自分が読みたいと思っている本の一部ページもご紹介したかった(リンクだけ下に以下略)んですけど…。諸事情でいろいろ間に合わず…。
いや、単純に時間の使い方が下手すぎるだけなんですが…。
あと、ナムさんのVラも見直さないと!なんて言ってたかもう時間が経ちすぎて思い出せない…。
これらに関しては、また後日なんらかの形で、書けたらいいな…。

ただでさえカムバとFESTAで6月は忙しいのに、一体いつになることやら…!
積読もいい加減手を付けないと、いつまでも本当にド素人のままになってしまう…。せめて「ド素人」は卒業して「素人」になりたい…。
次回まで間が空いても、忙しい(フリしてる)だけで投稿をやめたわけではないので、もし見かけたらまた読んでやってください。

とりあえず今は、ホワイトハウス訪問から彼らが無事帰国するのを待ちたいと思います。


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