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新生児~こんなにも寝ないのか~

出産後すぐは病室で1日ゆっくりと休み、入院2日後からは母子同室ということで、ごはんやお風呂の時間以外は基本的に子どもと一緒に過ごすことに。初めての赤ちゃん、初めての授乳、初めてのおむつ替え。何もかもが初めてで見よう見まねなので戸惑うばかり。あと、手術後の股の痛さが継続することにもびっくり。しばらくドーナツ座布団が必要になるとは思っていなかった。

とにかくよく分からなかったのは上手な授乳の仕方。どのように乳首を加えさせればよいのか、そもそもどのように抱っこをすればよいのかが分からず、母親として恥ずかしさを抱いた。また、どれくらい母乳が出ているのか把握するために、授乳の前後に体重計に赤子を乗せると4gぐらいしか増えていなくて、母乳の出なさにも愕然とした。

しかし、日数を重ねるうちに、助産師さんのアドバイスのおかげもあって、徐々に赤ちゃんの扱いにも慣れてきた。助産師さんによって言うことが違うことに「え、どっちが正しいの?」と思うこともあったが、そういうときは自分が正しいと思うほうを選択すればよいのだと感じた。同じ産院の助産師さんでも人によって考え方が違うことに驚いたが、それほど「育児」には1つの正解がないことの表れだと思う。

産院のおいしい食事を堪能し、奈良で起きた安倍総理の銃撃事件に驚き、サービスの整骨のすばらしさに感動し、あっという間に退院日。当日、夫は緊張してお腹が痛くなったらしい。お腹を痛めているのはこっちなんですが。

初めて赤ちゃんと我が家で過ごす日々。いつもの家が何やら新鮮に感じた。

ところが、新生児初期のころは「授乳したら寝る」だったのが、日数が経過するにつれて「授乳してもしても寝ない」に。母乳量がまだ安定していないことも一因だっただろう。一般的に新生児は15~20時間は寝て過ごすと言われるが、我が息子の睡眠時間は平均11~12時間。起きている間はひたすら「ぐずぐずと泣く→お乳を飲む」の繰り返し。新生児なのにこんなにも寝ないものなのかと驚いた。

ただ、夜中も寝ないことが一度あった以外は、夜は3時間前後の授乳間隔となっていて、新生児にもかかわらず、すでに生活リズムができあがっているほうだと思う。そこはとても助かった。

こんなにも授乳ばかりするものなのか調べてみると「赤ちゃんが欲しがったら欲しがるだけあげてください」とするサイトが多く、泣くたびにとりあえずおっぱいをあげていたため、1日の授乳回数は15回前後。いわゆる頻回授乳に。ミルクを足すこともあったが、何となく母乳育児がよくて、母乳にこだわってお乳をあげていた。しかし、お乳をあげてもあげても泣かれるのは、なかなかつらい……。自分の母乳に非があるのかと悲しくなった。

ただお乳をあげるだけなのに、回数が増えると赤ちゃんもこっちも疲れるし、だんだんと授乳に嫌気がさす。「こんなに飲ませているのになんで泣くの?!」と、いらだつことも。「寝てばかり」というイメージとのギャップに、新生児期はひたすら戸惑った。

唯一救いだったのは、実家の近くにマイホームを買ったため、母や姉が頻繁に様子を見に来てくれたこと。産後はほぼ寝たきり状態だったので、私の代わりに洗濯や料理などの家事をしてくれたのは、とても助かったしありがたかったし、そばに誰かがいること自体がとても心強かった。

何をどうすればよいのか分からない中で孤独感があるために産後うつになる人の気持ちが少し分かるような気がした。状況的に家族や知人からのサポートを受けられない中、1人で育児を頑張っているお母さんは本当に大変ですごいなと、あらためて強く実感した。

毎日ただひたすらお乳を飲ませる、ただの授乳マシーンと化した新生児期。

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