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クレイジーケンバンドだョ!全員集合

世間一般にクレイジーケンバンド(以下CKB)はどのように認識されているのだろうか?「俺の話を聞けー」と歌いながら「イイネ!!」と変なポーズを決めているコミックバンド、ってとこでしょうか?

僕がCKBのライブに行きだしたのは20年ほど前。最初のころは、葉山一色海岸の海の家、横浜長者町のライブハウス、自由が丘商店街のイベント。それがいつの間にやら全国ツアーをホールでやるようになり、以来ホールでのコンサートにほぼ毎年通っている。
で、昨年はコロナ禍のせいで恒例の全国ツアーがなく、2回目の緊急事態宣言発令の前に催されたbillboard LIVEでのライブに参戦してきた。でも、いつものコンサートホールでのステージとなんか違う。
ビルボード・ライブという会場が、グラスを傾けながらテーブル席から見る「大人のライブハウス」であること、コロナのせいで声出し禁止というのもあったけど、それだけではない違和感が。。。

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CKBの楽曲はジャンルにカテゴライズできない、一歩間違えたらコミックバンドになりかねないギリギリのところなのだけど、コンサートもそんな感じ。お決まりのオープニング曲で始まり、お決まりの掴みの演出があり、そしてエンディング。毎回同じフォーマット、安心のマンネリズムが生み出す心地よさ。ライブ、コンサートというより「ショー」という言葉の方がぴったりくる。

CKBのショーは、まさに昭和世代のおっさん・おばさんが子供のころに見たドリフの「8時だョ!全員集合」の世界。コンサートのエンディングでよく演奏される「木彫りの龍」という曲は、それを端的に表している。土曜の夜、番組のエンディングで加藤茶が歌う「ババンバ バンバンバン」を聴くと陽気な曲なのになぜか物悲しくなるように、コンサートのエンディングで「木彫りの龍」を聴くと何とも言えないあの感じがよみがえってくる。完全にドリフへのオマージュ。

CKBのショーは昭和世代のおっさん・おばさんが童心にかえって楽しむものであり、お洒落な「大人のライブハウス」空間だと一気に気恥ずかしさが噴出してしまうのは、そんなところに理由があるのだと思う。
やはりCKBのショーは、市民ホールみたいなところで見るのが一番だと再認識した。実際にドリフを市民ホールで見たことはないけど。。。

世間一般にドリフターズもコントグループと認識されているけど、もとはビートルズの前座も務めたようなれっきとした音楽バンドだった。
同じようにCKBもコミックバンドのように思われているかもしれないけど、長い音楽キャリアをもった非常に完成度の高い演奏をする「東洋一のサウンドマシーン」ですね。

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