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猫と時計【生成AIタイトル創作】

※この作品は、ChatGPIにランダムな単語の組み合わせを生成してもらい、そのタイトルにしたがって創作しています。
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その街には、大きな時計台があった。
みんな自分の時計を持っていない時分のことであったから、誰もがその時計台の、大きな鐘の音に合わせて暮らしていた。

みんな、朝の鐘を聴きながら仕事に向かい、夕方の鐘で家路についた。
正午の鐘で昼食をとり、1時の鐘で仕事に戻った。

でもある日、みんながお昼ご飯を終えても、1時の鐘が鳴らなかった。みんなは、おしゃべりを続けた。
外国のニュースから、隣町の親戚の噂まで話しても、まだまだ鐘は鳴らなかった。

どうもおかしい、と思った真面目なひとが何人か時計台を見に行った。遠目のきく人が言うには、文字盤のところに猫が寝ていて、針が止まっているんだとか。
猫はそのうち目を覚まして、フイとどこかに行ってしまい、時計はだいぶ遅れて鐘を鳴らした。
みんなはぞろぞろ仕事にもどった。

でも、猫は、それから10日に一度ほど、気まぐれに、でも必ずお昼にやってきて、眠るようになった。ポカポカして気持ちがいいようだ。その度に時計は止まり、昼休みは長くなった。

街の人はみんな、昼休みの長いおしゃべりが大好きになったし、猫があまりに気持ちよさそうにねているので、猫をどけようとする人はいなかった。

何人かは、もっとひんぱんに猫が来るようにと、時計台ににおもちゃを置いたり、食べ物を置いたりしてみたけれど、うまくいかなかった。逆に、変な時間に猫が来て、いつまでも夕方の鐘が鳴らないなんてことにもなった。

やがて人々は、猫の気まぐれを何とかしようとするのをあきらめ、たまにくるちょっとした幸運を「猫の贈り物」と呼んで楽しむようになった。あらゆる職場には、猫の贈り物に備えて、ティーポットやお菓子が備えられ、人々はその日のためにとっておきの話をためておくのだった。

そうしてその街は、周りよりちょっとだけ幸せな街になった。

もちろん猫は、そんなことを知る由もないけれど。



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