英語ラップに立ち向かう会~"No Exit"の翻訳詞を作る~ #2
この記事の続きです
まだ残りのところの歌詞は奮闘中なんですが、
と言っていた部分、ここを作り直して来ました。
本家歌詞と和訳
Now your sanity is hanging on a trivial experience
今貴方の正気は些細な出来事にかかっています
Activity designed to keep your fragile mind intact
貴方の壊れやすい心を傷つけないように作られたアクティビティ
The monotony is liminally minimal
単調さは最小限に抑えられています
Additionally try to keep it literal
さらに文字通りに心を保つようにしてください
Don't get too abstract
あまり理詰めにならないように
作り直す前の日本語詩
今貴方の正気は危うい状態
この冒険してれば安全絶対
繰り返しは最小限に
気持ちは平行線に
考え込まない
理詰めにならない
作り直した日本語詩
今貴方の正気は危うい状態
この冒険してれば安全絶対
ほら驚きに満ちた
寂しさと程遠い
とにかく 気を確かに
理詰めにならない
作りかたというか経緯というか
今回はメモが全然残ってなかったので試行錯誤の跡としては心もとないんですが、変更後の歌詞の解説のつもりでサラッと書いていきます。
まず本家歌詞の韻を確認します。
Now your
sanity is hanging on a trivial experience
Activity designed to keep your fragile mind intact
The monotony is liminally minimal
Additionally try to keep it literal
Don't get too abstract
1
-ityの脚韻、-allyの脚韻、それに合わせた可能性がある-yの音
2
-alの脚韻(これは脚韻では無いけど耳障りという意味ではallyの組にもかかるかな)
3
-actの脚韻
発掘できたのはこんなもんです。耳に限界を感じたので概ねスペルを睨んで探してます、許して。
この時点で前半2行
今貴方の正気は危うい状態
この冒険してれば安全絶対
と最後の
理詰めにならない
の韻の踏み方は悪くないしさほどフローというかリズムも本家から離れてないし、据え置きでいいんじゃね?と思い始めます。
さて次、今度は日本語話者の耳でどう聞こえるかを洗い出していきます。このままで良くね?と思ったからかメモに残ってなかったので、The monotony 以降keep it literalまでですが。
ざ もののり
いず りみな りみな
あじしよなり
とらいとぅ きぴいりら
こんな感じ。全部母音にすると
あ おおおい
いう いいあ いいあ
あいいおあい
おいいおぅ いいいいあ
このままでよくね組と元歌詞の押韻を照らし合わせながら整理しましょう。
あやういじょうたい
あんぜんぜったい
の脚韻(日本語に脚韻は無いんですけどまぁ伝わるんで言います)「い」部分と、本家のy組、変更する部分の1行目と3行目の後ろを「い」にしてかけていく形にします。
一旦位置は変わりますけど押韻の位置や数を維持しつつ、変更するところはより本元の響きに近いリリックを載せられそうですからね。
次、-al組。本来は-allyでy組なんですけどマジで
liminally minimal
がりみな りみなにしか聞こえん。ここの音は多分揃ってた方がしっくり来そうな気がしまして。なのでここはなるべく踏むのと、それを変更4行目の脚韻にも持っていきたいなと思っていました。
最後act組はもう変更しないことにしたところで「い」揃えが出来てるので良しとします。
じゃ作っていきます。
The monotony
ほら驚き
▶︎本家が「のり」に聞こえるので「ろき」で母音を合わせに行きました。-y組の「い」も維持です。
is liminally minimal
に満ちた 寂しさ
▶︎なんなら「りみなりみな」以外を「い」で固めてここのグループ感を出してやろうかなみたいな気持ちで「に」入りです。isのいも拾えるし。
「みちた」、さ「みしさ」で大分丸く納まったかと。本家と音も近いしね。
Additionally
と程遠い
▶︎A-dditio-nallyって感じに拾えるアクセントで本家が歌ってるなぁと思ったので、と、で副詞入りすることで本家と自然アクセントがそろうかなぁなんて思ったり。と「おい」にしたので本家のa音からは離れちゃったんですけど、むしろおど「ろき」との韻踏みが出来たので良しとします。
try to keep it literal
とにかく 気を確かに
▶︎本当は「いいあ」で踏みたかったんですが、しっくりくる歌詞が作れませんでした。
tryのtを残したり、to▶︎く、にしたり、keepの入りも気にしたり、と本家の音感に寄せつつ、「かに」で変更しなかったとこの「たい」にかけることで茶を濁しました。
出来たものとしてはかなり「い」の脚韻便りになった感じはしますが、ちょいちょい本家通りの母音や子音も置けたし前よりは良くなかったかなと思っております。
ではまた、残りの部分が出来たらお会いしましょう。
気に入って頂けたらサポートおねがいします 美味しいものを食ってまた何か書いてお渡しします、永久機関ってわけです……違うか