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地域メディアはコミュニケーションの未来を作れるか〜広島実証実験を中国新聞担当者に聞く〜

※トップの画像はニュースリリースより

2月半ば、私のFacebookにScreens(放送業界の最新動向を伝えるメディア・株式会社TVer運営)の記事が流れてきた。

広島県内の民間放送4社と中国新聞社、広島県民向けインターネット配信の実証実験開始

民放による共同での実証実験は珍しくはないが、新聞社も参加する例はあまりないので目に留まった。そして、これはどこかで聞いたことがあるぞ!と考えて思い出した。
筆者が昨年出版した「嫌われモノの<広告>は再生するか」の反響をくれた中に、地方紙の社員の方がいたのだ。その時のメールを探し出した。

「私は広島の地方紙の社員で今、ローカル局全局、地元の企業4社などとともに、ローカルコンテンツの配信基盤の実証実験(総務省)に取り組んでいます。」
そうそう、これだ。まさにこの実験のことだ。

たまたま目にした記事とメールがつながり、興味が化学反応を起こした。メールをくれた中国新聞社・メディア開発室の山本洋子氏にさっそく連絡し、お話をお聞きしたいと申し出た。

Zoomで顔を合わせる前に、山本洋子氏について検索すると、「科学ジャーナリスト賞2015」受賞の記事が出てきた。つい最近まで現役バリバリの優秀な記者だったわけだ。実際にお話しした山本氏は、物事を整理して理路整然としゃべりつつも言葉の奥に情熱を秘めた女性だった。

山本洋子6

山本氏にまず、今回の実証実験に至る経緯について聞いたところ、3点に整理して説明してくれた。

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