「視聴率の民主化!」TVAL nowが業界に問うメッセージ
いつでも誰でもどこにいても、今の視聴率がわかる!
今月5日、スイッチメディア社が「TVAL NOW」を公開した。誰でもリアルタイムで地上波テレビの視聴率がグラフで見られるサービスで、なんと無料だ。
この件は私のFacebookのタイムライン上でかなり話題になり、さっそく使ってみた人々がシェアしていた。業界の人々が多いので当然だが、X(Twitter)の方でもさっそくハッシュタグ「#TVALnow」ができて、一般の方々がグラフを共有しコメントを交わしあっている。
長らくテレビデータについても研究したり、調査会社などにデータをお願いして出してもらっていた私としては隔世の感がある。時代が進んだなあ、と。
例えばこのグラフは今朝(12月15日)の各局がワイドショーを放送している時間のもので、数値は縦棒が立っている08:10時点の視聴率を示す。
朝の情報番組の中ではフジテレビ「めざましテレビ」が群を抜いて高いが、朝ドラでNHK総合がグンと上がるのが常識だ。ところがこの日は大谷のドジャーズ入団会見があり、民放は一斉に生中継を放送。テレビ朝日「モーニングショー」がなんと朝ドラ「ブギウギ」を上回った。日頃から大谷情報に力を入れてきた成果だろう。
そんなちょっとした分析が、今見ている番組について誰でもできるようになったのだ。これは画期的だ。
何しろこれまでは、朝の番組も翌日まで待たないと視聴率はわからないものだった。もちろん、ビデオリサーチと契約した会社でシステムが使える端末がないといけない。
それが、そんな契約がなくても、誰でもどこからでも使える。スマホにはちゃんと最適化された形で表示される。これまでの視聴率の常識を覆すツールだ。
ただしもちろん、ビデオリサーチの視聴率と調査パネルが全く違うので、そちらの数値と違ってくるのは当たり前だ。TVALnowで見た視聴率が、翌日発表されたビデオリサーチの視聴率と違うことは認識しておいたほうがいいだろう。
ブラックボックスから視聴率を解放する
TVALnowの開発の背景については、スイッチメディア社のリリースに書いてある。
スイッチメディア社が企業向けに開発し提供しているTVALというツールがあり、TVALnowはその一部を切り出して一般向けに無料ツール化したものだ。だからTVALのプロモーション的な効果を狙ってのことだろう。だがそんな文章の中に「民主化」という言葉が入っているのが興味深い。
もう少し詳しく聞きたいと、スイッチメディアのビジネスコンサルティングGマネージャー、高嵜文菜氏に話を伺った。
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