すすきが原に辿り着くまで
9月21日にCONTAX Tに詰めたLomography CN100
ひと月以上かかってようやく撮りおわり、即日現像に出した。
なんとなく気分の乗らなかった時期に装填したので
それから1週間くらいなにも写さなかったように記憶している。
なので最初はいつもの純喫茶・星港夜(シンガポールナイト)で
濃口の「運命」とティラミスを注文した日のカットから。
マスターが閉店予告した2022年12月27日が近づき
土日祝にはティラミス目当ての一見さん学生で行列ができるほどだが
なんかあの行列をみていると「葬式鉄」という言葉を思い起こす。
(意味はGoogleってみてください)
熱しやすく冷めやすく忘れっぽい仙台人
閉店したら忘れてしまいのであろ、
中心街にあれだけあったタピオカ屋が軒並み消えたので
流れてきたのであろうか。おめでたいものだ。
9月末に、せんだい21アンデパンダン展と同時開催の美術展
「アンポンタンズ」に、あいかわらずな絵を展示してもらい
期間中はいそいそとしていたように覚えてるが
それらもおわってしまい。
それ以降休日はあいかわらず原付二種のMTバイクで、日帰りで走りまわっていた。
10月中旬には石巻市へ用があって行ったが
6時に仙台を出たら8時に着いてしまい
時間まで市街地の先の万石浦まで足をのばした。
じつは上の写真に写っている橋の向こうを右折すると、
支倉常長がサンファンバウティスタ号でひそかに出航したという、月浦というところにトンネルで通じている。
サンファントンネルというなんとも微妙な名前の閉所感だけは味わえるトンネルを抜けて、かつて木造で復元されたその船があった(老朽化で解体された)サンファン館という施設(だからそのネーミング…)にもちょっと立ち寄った。お手洗いを借りに…
↑地方の個人商店でがんばって立派な店舗を建てました系。
数十年前は地域経済の中枢として(?)賑わったであろうに
ひどいといまは廃墟と化しているところもあったりして
諸行無常を感じることも多いけれど、ここはどうなのか?
漁業で成り立っている地区で魚屋さんは…
そして先週末は午前3時半に起きて
福島市飯坂町の共同浴場「鯖湖湯」で朝風呂としゃれこんだ。
この日の写真は2枚しかなかった。ひどいものだ。
そしてきょう10月30日、駅伝開催による市内の交通規制を避けて
午前中から郊外を迷走していた。
なんとなく泉区北部を走行しているうち
「あの丘」に行きたいと思いたち
そこからさらに西へ向かったら…
野辺に咲くコスモスの花と、ここだけみれば仙台市内とは思えない(失敬)
空の広くみえる丸い丘を数年前に撮影したのが忘れられずにいたら
ことしの秋はいちめんのすすきが、やや強めの風にそよいでいた。
Sonnar T*38mm f2.8の精細な描写に息をのむ。
半日前、肉眼で立ちつくし 夢中でシャッターを切ったときの
気もちがありありとよみがえる。
都市のなかをとぼとぼ歩きまわる日々から、ほんのすこし抜け出しても
網膜を通じて脳裏に焼きつくような風景は存在するのだと知る。
そしてもうすこし、日常もすきになれたらいいと思う。
日曜の夜に。
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