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盛岡電撃訪問~またも滞在3時間

梅雨のさなかに、ことしも原付二種で盛岡へ日帰りしてきました。
無計画で無謀な弾丸ツーリングで、写真だけは撮ってきたというお話し。

仙台発は23時

ある土曜日の晩、どうにもいたたまれない気分になり
洗濯物をコインランドリーでやっつけてから玄関に放り込み、
そのまま北へ向けて出発。

荷物はタンクバッグ1個。
文字通りバイクの燃料タンクの上に乗せるバッグで、A5サイズの「ツーリングマップル」を上面に入れられる。
給油のときにはずらしてやらねばならないけれど、重いものは入れられないからそれでよい。
目薬や携帯用消毒スプレー(消毒グッズがないと死にそうなひよわなおしゃまであります。疫病の流行前から)にすぐアクセスできるのもよい。
自動車専用道路はもちろん、有料道路もほとんど走らないからあれだけど
通行料金なんか入れておいてもいいかも知れない(盗難に注意)

あとはわすれちゃいけないレインスーツ上下とか…
あっ! もちろんカメラも持ちましたよ。

まっくら

仙台駅前を通過するが、あいかわらず酔った人たちが大きな声を出したりしている。
週末ぐらいは、こんな街からは逃げ出すに限る。

週末夜中の国道4号は車が少ない。
しかも流れが速い。
赤信号で減速する車列を後ろからみると、どれも真四角な鉄の箱にしかみえない。
30年前には、箱型の車というと貨物車とその派生車種ばかりだった。
未来の車がこんな冷蔵庫ばかりになるなんて、想像もしなかったね。
誰も冷蔵庫とツーショットで記念写真撮ったりしないように
これらの車も、ちょっと旧くなったら買取に出されてさようなら、顧みる人なんかいないのだろうよ。

閑話休題。
1時間ほど走行して大衡村のスタンドで1回目の給油。
右折で入るときいきなりエンストして焦ったり。
そして青い看板によると盛岡まで150㎞ほど、無給油で盛岡までは行けるはず。

大崎市を過ぎると、もう次は栗原市。
最後の街らしい街がある築館を過ぎると、もう先は暗闇、まっくらです。
沢辺、若柳、金成と水田地帯から県境の山の中へ。
なぜかセンターライン付近を行ったり来たりしてる狐らしき白い影がいたり。
このへんまで来ると時々前も後ろも誰も走ってなかったりすることもしばしば。

岩手県に入って一関市、市街地をかすめるとあっという間に平泉に向けて小高い山を上る。
またまっくら。
道の駅平泉で30分くらい降りて休憩する。しばらく仮眠しようとも思ったが、車中泊組の人たちが時折トイレ目的で出入りするので落ち着かない。
3時前にまた走り出す。

北上附近で夜明け…そして花巻へ

なにしろ夜中だったので、ここまで写真はありません。
北上市まで来ると、ようやく空が白んでくる…お日さまはみえない…ぽつぽつ通り雨が降るともなく降る。
ここで4号線から西に左折し、旧和賀町方面へ向かう。
以前から全線走ってみたかった岩手県道13号線で盛岡をめざすつもりだったけど、まちがえて手前で曲がってしまい広域農道に出てしまう。
しかし早朝の水田地帯、よい雰囲気で、ここでやっとコンタックスTにKodak Colorplus200を詰めて撮りはじめ。


ここからナビを頼りに道の駅はなまき西南へ向かい、休憩ののちまたナビなしで盛岡方面へ。
このへんで次の給油所のことを考えはじめたのですが、30㎞ほど行った盛岡南インター付近まで、24時間営業のスタンドはないのですね。
ツーリングではリッター40㎞/Lはかたいので案外航続距離は伸びるのですが、ガス欠こわいですから。
そんなさなかにも雲行きは怪しく今にも泣きだしそうな空。
結局13号をそれて給油。結果的に1.3Lくらいまだ余裕があった。
この時の燃費44.89㎞/l。

雨の盛岡福田パン

学生の頃、まだユーミンのあの歌なんて聴いたこともなく、盛岡が登場する歌というと「雨の盛岡」だったかな? それしかなかったのですがもう誰も知らないだろうね。

中心市街地に差し掛かると結構な雨量の雨に遭い、大通商店街のアーケードの下、空きビルの前でしばし雨宿り。この時点で6時。
雨の間隙をかいくぐって、盛岡駅西口アイーナわきのバイク駐輪場へ。
アプリの雨雲レーダーとにらめっこして、とりあえず折り畳み傘をもって東口から10分ほどあるいて、福田パン長田町本店で朝食にしようと。


北上川もかようなまでに増水中。
小さな傘しかないから、雨粒が容赦なく、大粒ではないもののカメラにも降りかかる。クロスで神経質にふきふきしながら撮りあるき。


駅から旭橋を渡ると、福田パンまで一直線ですが、その間にもこんなに風情ある建物が方々にあります。
ただ仙台とかそれ以上の大都市の感覚でいると、途中にコンビニない区間も多いですのでご注意ください(なににかはお察しください)。


朝七時開店の福田パン本店ではまさかの50分立ちんぼ。
もしラーメン屋でこの行列だったらそんなに待ちませんよ。
でっ あんバター、コーヒークリーム、クッキー&バニラを買ったのですが
とうにイートインコーナーはなくなっていて、どこで食べるか路頭に迷いました。
幸い雨も上がったので、西口に戻りまたバイクに乗って、市内を見下ろす岩山展望台を目指します。
今ぐぐってみたら標高340mとな。
近くに盛岡市動物公園と民営の岩山パークランドという遊園地もありますが、仙台で同様の施設が並ぶ八木山など、地下鉄の終点で100m台ですからね…岩山、結構高いです。
雨上がりゆえ勾配を上るのには慎重を期して。

だいたい盛岡駅方向
すこし南西向き
北西方向を望む

まだ霞がかかっていますが、それでも気分は爽快。
遅めの朝食になりましたが、よき時間でした。
福田パンのコッペパン案外大きいのですよ。胃袋が大きいおしゃまには満足のいくものでした。
この時点で9時過ぎ。

盛岡はレトロなんだってねえ

南斜面から宮古への国道106号線に下り、せっかくなのでいったん市街地へ戻ります。
一茶寮という、蔵を改装したギャラリー+喫茶店があるので行ってみたら、なんと日曜日は定休なのでした。


しかたなくここを後に、紺屋町の「クラムボン」前を通り(こちらも日曜定休)、岩手銀行赤レンガ館前をふたたび106号線に左折。
むかし「六分儀」という喫茶店があった建物(現在は違う経営で「羅針盤」という喫茶店)の前で懐かしくてTを取り出します。
六分儀は2015年に一度だけ来たのでした。市内で一泊ののち、いまでは考えられないが風邪ひいて入店したのでした。9月だったがバスの車内で朝に暖房でも焚いてたのか、温度差にやられたのでした。


旭光学時代の広告看板
隣が現「羅針盤」

昨年新築再オープンした盛岡バスセンターと目と鼻の先、肴町商店街の角にある現役の写真屋さんの塔屋にはかような年代物の広告が。
アーケードのファザードに隠れてるけどキヤノンの文字もあるね。こっちはいまも昔も変わらない気がしますが。
盛岡林檎の看板、屋号はどこなん?笑 30年前には果物を実際に商っていた記憶があるのですが、いまはもぬけの殻だった。

正月に世界中を…少なくとも日本中を沸かせた、ニューヨークタイムズの例の記事のニュース。
1位のロンドンは「あったりまえじゃねえか」と思ってしまったけど、2位が、ということは日本で断トツの1位が盛岡だものね。
なるほど、今回もたった3時間程度の滞在でしたが、レトロといえばレトロですよね。
盛岡駅周辺みたいに、だいぶ整備されて面目を一新したようなところもありますが、ちょっと目抜き通りをそれると、まあ一言でいえばフォトジェニックな風景がちらほら。
仙台みたいに高級タワーマンションの建設ラッシュ、なんてこともさほど起きていないようでもあり。
30年前にかの地で学生だったわたくしは、珈琲の味も知らずにお蕎麦(わんこそばではなく普通のお蕎麦屋さんで)と冷麺ばかり食べまくっていた、古本屋めぐりぐらいしか楽しみがなかった無粋な若者ではあったのですが、4年だけとはいえ故郷を離れて岩手の風土に親しんだのは、いま振り返っても人生の一大転機だった気がいたします。


こういう形態の町家なんて、仙台にはもはや残ってないですよ。
(そもそも地域性の違いで見当たらないのかもですが)
しかもばっちりトマソンが張り付いています!

ことしは盛岡ブームみたいで、GW中はごった返していたようですが
みる人にとって百人百様の貌をみせてくれる街だと思います。
行ってみればわかりますよ。


CONTAX T+KODAK COLORPLUS 200

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