全方位美人の性


わたしはふだんあまり人に人の陰口を言わない。
なぜなら、心底つまらないからだ。面白くない。
発する本人のストレス解消以外、いいことがひとつもない。まぁそれが本来の目的なんでしょうけれど。

さらにわたしは、自他共に認める八方美人だ。
誰にとっても正解でありたい。瞬時にその人が欲しがっている返答を出してあげたい。

八方美人のいいところは、みんなと分け隔てなく同列に仲良しでいられるところだ。どのグループにも属すし、逆に言えばどのグループにも属さない。誰の味方でもないし、常にみんなの味方だ。
もちろんこれまで生きてきた自分にとっての正解行動、正解だと思う考えは明確にある。わたしならこうするこう思うが自分の中にあるにしても、それがその人にとっての最善であるかどうかは分からないので、強要したいとは微塵も思わない。


どのグループにも属さず分け隔てないわたしは、いろんな人と話す。ゆえに、みんながみんなの陰口をわたしに言ってくるのだ。
「あなたにしか話せない」の“あなた”は一体どれくらいいるのだろう。

八方美人も人たらしも誰にでもできるもんじゃない。わたしの素晴らしい特性だと思う。のだけれど、それゆえに弊害があることに最近気づいた。

偵察があった。
問われたとき、これは明らかな偵察だと思った。
「◯◯さんは何て言ってた?」
なかなかにしんどい。

わたしはその人にとって良くない部分を排除して「◯◯と言ってましたよ」と瞬時に返す。
陰口は本人には伝わらなくていいし、伝わるべきじゃない。
「◯◯さんが◯◯さんを褒めてましたよ」は、率先して言ってきたいけどね。

ちなみにだけど、AさんがBさんをどう悪く言っていようと、わたしがBさんに抱く感情はそれには全く影響されない。わたしは自分の目で見たその人、自分の主観しか信じないので。
人には良いところもあれば悪いところもある。
わたしはその人の良いところをつまんで、そこいいですねと言い続けたい。


愚痴を聞かされるのはしんどい。
できることなら、「わたしに言われても困るんで、本人に直接言ってお互いが歩み寄れる中間地点に着地させたらどうですか???」と真顔でマジレスしたい。わたしに心を開いてくれている人にそんなことを言えるわけがない。

全方位美人の性。
どこにも吸収されずどこにも傾かず、自分の核をブレさせず、ただ真ん中に立っていたい。わたしはヒトが好きだ。

おおすかちゃんを!あなたの力で!生かしてたもれ!✌︎