【洋書多読】Theodore Boone(226冊目)
アメリカの法廷モノの児童書『Theodore Boone』を読了しました。
前回アガサ・クリスティの古典である『The Mysterious Affair at Styles』(邦題:スタイルズ荘の怪事件)を読破して余韻に浸っていたんですが、残念ながら、裁判制度そのものや法律関係の用語(英語)にあまり馴染みがなく、そこだけは忸怩たる思いだったのでした。
ただ、そこで頑張って「よし、法律関係の英単語を頑張って1週間ですべて丸暗記しよう!」とかならないのが僕なので、児童向け法廷モノの名著と言われる(らしい)本書を手にとって、楽しみながら英単語にも馴染んでしまえ!と思ったのです。
もちろん、本書を一読しただけで全ての法律用語が英語で完璧に覚えられるようになるわけではありません。そうは問屋が卸さないです。
でも、本書で「楽しみながら」英語の法律用語に馴染んでいくという目論見に関しては120%成功と言ってもいいと思っています。馴染みのない用語も物語の本線できちんと解説してくれているので、いちいち読みが中断されませんし、なによりお話自体が面白かったからです。
英単語に「馴染めれば」、それを「覚える」ための労力はやハードルはぐっと下がります。個人的な単語暗記の必勝法です。
英語もちょうど読みやすいですし、結構個人的におすすめのシリーズかもしれないです。
やさしい英語を大量に読むことの楽しさを改めて実感しました。
最近自分のレベルを若干過大評価傾向にあった僕にとって、このくらいのレベルの児童書(YL4.5-5.5らへん)を、辞書を使わずにさらーっと読み進めることは本当に楽しかったです。
辞書無しで読めるレベルの児童書を大量に読むっていう学習方法に眉をひそめる英語学習者の方も多いですけど、僕はどちらかと言うと英語は「楽しむもの」と思っているので、辞書を引きながら難解な英文をウンウン唸って読むというのは苦行のように思われ、ついつい敬遠してしまいます。
苦行を経ることなしには言語というのは獲得できない…というのが言語習得における人類共通の真理であるのなら致し方ないのかもしれませんが、自分が日本語を習得した経験からしてそれは違うと思うし、だったら楽しくラクして英語力をUPしていける方がいいなと思っています。
そして「楽しく」読める英語というのはいちいち辞書を引いたり、文法書を参照しながらでないと読めないような代物ではなく、自分の限られた語彙力でぐいぐい読めてかつ次の展開が楽しみで仕方ない!みたいなもので、そういうのって別に大人向けの物語や自己啓発書の類に特権的なものでもなんでもないんですよね。
児童書には、読んでて本当に楽しくて幸せな気分になれたり、勇気をもらえたりする作品がたくさんあります。『Harry Potter』を例に出すまでもありません。
次項では、僕にとってのそんな作品をご紹介してみようと思います。おすすめの多読向け児童書ダイジェスト、みたいな感じです。中級以上の選書になりますが、どうぞ参考になさってください。
おすすめの多読向け児童書ダイジェスト(Amazonへのリンク)
『Wonder』 (R.J. Palacio)
『Matilda』(Ronald Dahl)
『So B. It』 (Sarah Weeks)
『Me Before You』 (Jojo Moyes)
『The Giver』 Lois Lowry
『Dustbin Baby』 (Jacqueline Wilson)
『The Notebook』 (Nicholas Sparks)
「児童書なのに面白い!」は児童書に失礼!?
児童書を紹介するときについつい言ってしまうのが「大人でも楽しめる」「児童書なのに面白い!」といった、無意識のうちに児童書を見下したような価値基準に基づく発言です。
でも、面白いものは純粋に面白いわけで、そこに対象年齢による差はあまり関係ないと思います。子供が読むものだからといって無条件に手に取らないのはあまりにももったいない。自ら英語を伸ばせる機会を無視して通り過ぎようとしているようなものです。
子ども用・大人用といった垣根なしに、僕たちがもっと素直に英語を楽しむ心でこれらの物語に触れることができるようになれたら…。世界最低水準と言われている日本人の平均的な英語力はもっともっと改善されると思うんですけどね。