【洋書多読】the Greatest Salesman in the World(232冊目)
『Greatest Salesman in the World』は自己啓発書としても有名な一冊で、紀元前後の中東を舞台に交易で大成功を収めた商人が、商売で成功するための秘伝が記された巻物を次の世代に託す…というフィクションです。
短い小説ではありますが、その半分くらいがその巻物の記述そのものになっています。巻物は10巻からなり、各巻を毎日読むことで商人として成功するための知恵を得ることができるというわけです。
作中では、ハフィッドという商人がこれを実践し巨万の富を築いたわけですが、著者はこの本を手に取った読者にもまた、毎日本書に触れ、この巻物の部分の記述を指示通り音読・実践することを求めているようです。
ちなみに各巻物のタイトルは以下の通り。
アルコール依存症で地獄の底から這い上がり成功を収めた原作の著者オグ・マンディーノの10の箴言が現実の世界で大成功を収めた世界中の経営者の琴線に触れ、メディア等を通じて世界的に広く紹介された結果、本書はまたたく間に数十カ国語に翻訳される世界的なベストセラーになりました。
日本でも『世界最強の商人』というタイトルで翻訳・出版されています。
英語版は正直ちょっと読みにくいと思います
本書の英語版を読了後、もっと中身をきちんと把握したいという気になったので、日本語版を購入して一気に読みました。個人的には珍しいことです。
翻訳版はとてもこなれた日本語で書かれていて1時間ほどでサラッと読めてしまいました。翻訳者の方の力量によるものだと思います。この読みやすさが、本書を日本におけるベストセラーに押し上げたんでしょう。
では英語版もきっと読みやすいんだろう…と思われるかもしれませんが、実は割とそうでもないんです。
一つは倒置などの修辞的な表現が比較的多用されていること、もう一つはThou(youの古い表現)やwouldst(will の二人称単数過去形)といった、古い言い回しを意識した単語がしばしば出現することなどが大きな理由です。これは2000年以上前の中東という背景を考えれば納得のいくところではないでしょうか。
とはいえ、どちらもそんなに難しい英文法でもないので、慣れればどうってことないと思います。それよりも内容が多くの人の琴線に触れるものであると思われるので、気づいたら読了できていた、という感じになるはずです。
英語初・中級者には少し骨が折れる英語かもしれないですが、この手の小説として名高い『アルケミスト』同様、広くたくさんの方におすすめしたい一冊です。
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