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【洋書多読】Kiki's Delivery Service(195冊目)

『Kiki's Delivery Service』を読了しました。

言わずと知れた宮崎駿/スタジオジブリの『魔女の宅急便』の原作になった児童小説の英語訳版です。

僕は実は『魔女の宅急便』を見たことがないので、原作との比較という意味ではなんともいい難いんですけど、Wikipediaによると、ジブリ版は基本的な世界観は原作を踏襲しつつも、思春期から青年期に移行する少女の葛藤を描いた映画という感じだそうです。

一方の原作はもう少しシンプルなプロットになっているような感じがします。魔法のほうきを使ってデリバリーサービスを行うキキが、カスタマーからの少々無理筋な要求を、持ち前のポジティブさで乗り越えていく、というものです。

パートナーのジジは時にキキの短絡的な行動を諌めたりするような大人びた面を見せる一方で、ちょっと臆病だったり寂しがり屋だったりするところもあります。

この両者の掛け合いが非常に面白い、という印象を受けました。他に登場する人物もそれぞれ個性的で、読んでいて心がとっても和みます。

英語はとても易しいです

ネットを見ていると、本書の英語レベルを表す「YLレベル」は、3.1〜3.5くらいが標準のようです。

ネイティブでいうと、小学校低学年くらいが読むレベルの英文ということになります。『Kiki's 〜』はフィクションなので単純な比較はできませんが、一読したレベル感は僕がいつもオススメしている『Who was 〜?シリーズ』に似ているような気がします。

『Who was〜?』よりいいなと思うのは、自然な会話とか、そう言う表現が文中に豊富にあるということです。ネイティブと自然な会話ができるようになりたい、みたいなモチベーションで英語を学んでいる方にとってはとても優れたマテリアルになりそうです。

英語も変にひねった表現はなくてシンプルです。単語がところどころ難しいものが見受けられますが、ある程度学習が進んだ英語学習者なら十分に意味を類推しながら飛ばし読みできるでしょう。

TOEICが800点もあれば十分多読的な読み方ができるレベルです。

新しい「多読」のスタンダードになりそうな一冊

英語学習法としての「英語多読」は比較的確立してきつつあって、いろんな「多読向け児童書」がネットでは紹介されています。いわゆる「定番」というやつです。

『Kiki's Delivery Service』は、そんなタドキスト向けの児童書の新たな定番となっていきそうな一冊だなぁ、とそんな感じがしています。

Chapterごとに分かれている一話完結のお話が何本か収録されているという児童書おなじみのスタイルも、忙しい合間を縫って多読していきたい大人にはもってこいです。

1Chapterは20分〜30分で読めるものばかりなので、スキマ時間に少しずつ読み進めていくことができます。

原作は日本人によるものですが、世界観は日本という感じはあまりしないので、安心して洋書の世界に浸ることができるのもいいところです(地名は日本のものをイメージさせますが)。

オススメです。

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