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【洋書多読】The 100-Year Life (254冊目)

The 100-Year Life by Lynda Gratton, Andrew Scott
 
総語数:90,000 Words
 開始日:2024年5月4日
 読了日:2024年5月20日
 多読総語数: 10,504,133 + ? words

『The 100-Year Life』を読了しました。

『100-Year Life』は、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットによる著書で、寿命の延長が個人や社会に与える影響を分析した一冊です。

彼らは、平均寿命が100歳に達する未来を見据え、従来のライフステージ(教育、仕事、引退)に基づく生き方ではなく、新しいライフモデルが必要であると言います。

リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットといえば『Life Shift』が有名ですが、『100-Year Life』は3つの主要なテーマに焦点を当てています。

第一に、長寿化によって職業生活が長期間にわたるため、スキルのアップデートやキャリアチェンジが必須になること。第二に、健康管理の重要性が増し、身体的・精神的なウェルビーイングが鍵となること。そして第三に、財政計画の見直しが必要であり、長期的な資産運用や退職後の生活資金の確保が重要となることです。

著者たちはまた、企業や政府に対しても、教育制度の改革や労働市場の柔軟化を求め、個人が生涯にわたり学び続ける環境を整えるべきだと提案しています。社会全体での長寿化対応が急務であり、個人レベルでも長寿に対応した新しいライフプランを構築する必要があると強調しています。

全体として、本書は長寿化社会における生き方の再考を促し、個人、企業、社会が協力して新しい時代に対応するための具体的なアドバイスと戦略を提供しているといえるでしょう。

それなりに高い英語力が必要

洋書「100-Year Life」を読み進めるのには、中級から上級程度の英語力が必要かと思います。具体的には以下のような要素があるため、一定レベル以上の英語力が必要になるでしょう。

1.専門用語と経済概念
経済や社会科学の用語が頻繁に登場します。これらを理解するには、基礎的な経済学の知識とその専門用語に対する理解が必要です。

2.複雑な文構造
大学レベルの教科書に近い文体や、複雑な文構造が見られます。これに対応するためには、ある程度の文法力と読解力が求められます。

3.抽象的な概念
未来予測や抽象的な概念についての議論が多く含まれています。これを理解するには、具体的な事例から抽象的な結論を導く能力が必要です。

4.語彙力
アカデミックな語彙やビジネス関連の言葉が豊富に含まれています。英検準一級またはTOEIC800点代後半以上の語彙力があればスムーズに読めると思います。

決して読みやすくはないけれど、人生100年時代を気分良く生きるために必読の一冊

そんなわけで『100-Year Life』でした。

本書は決して読みやすいとはいえないと思います。専門用語や経済の用語もたくさん登場しますし、読み進めていくにあたっては専門的な知識も多少は必要になってくるでしょう。

それでも、僕はこの本を強くお勧めしたいと思います。単純に、人生100年時代のライフプランの構築の仕方だけにとどまらず、急速に進んでいく世代間の分断に対する処方箋が、本書には記されているからです。

「近頃の若いヤツときらたら…」みたいな物言いをする人はずいぶん鳴りを潜めましたが、それでも僕のような団塊Jr.世代の人間にとってはまだまだ「一度入った会社を定年まで勤め上げる」というのがドミナントな価値観で、それができない人間は「社会不適合」の烙印を押されて社会の隅っこで縮こまって生きるしかありませんでした。

でも、人生100年時代を機に時代は代わりつつります。

本書が述べるように、時代は「3 stage life」至上主義から個々人が自らの興味関心に基づいたスキルを活かして、様々な職種やライフスタイルを横断的に渡り歩いて「私らしく生きる」ことを多とするような社会の必要性と、そのために個々人ができることは何か?という問いを繰り返し私たちに突きつけてきます。

今のスタンダード(に見えるもの)を疑い、新しい価値観とその価値観との対話にオープンな態度を取れる個人が一人でも増えていったなら。

本書が言うように、私たちは人生100年時代をある種の呪いとしてではなく、与祝を持って迎えることができる。そんな風に思います。

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