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アニメセーラームーン無印のダークキング四天王がアツい

セーラームーン無印のアニメがYoutubeの公式チャンネルで公開されている。(一気に全部配信ではなくて何話かに区切って随時配信みたい)


30代前半の私はド直球ど真ん中セーラームーン世代であり、アニメはもちろんなかよしを毎月購入して原作も読んでいた。武内直子先生の細くふわふわしていて美しくムードのあるセーラームーンも、アニメのコミカルでぱきっとした色合いのセーラームーンも全部好きだった。好きで全部見ていたはずなのだが、大まかなストーリーは頭にあっても細かいエピソードは全然頭に残っていなかった。

そこでこの外出自粛期間に便乗して、全話見直しを行っている。現在全46話中44話まで視聴した。(私はDアニメストア民なのでそちらで見ている)

セーラームーンはもちろんセーラー戦士の活躍を見るアニメであることは間違いなく、子供当時はその目的に則り、セーラー戦士のピンチにハラハラし、応援しつつ見ることが楽しみだった。

しかしすっかり大人になった私が一番みていて心を奪われたのが、このアニメセーラームーン無印(ダークキングダム編)に登場する敵キャラクターの四天王たちだった。

決してイケメンだから夢中になったわけではない(イケメンだけど)。そのキャラクター、作戦が個性バリバリで面白いのである。

あまりに心奪われたため、はじめたはいいものの何書けばいいかわからずほっぽり投げてたnoteに向かい合っている始末。何がここまでそうさせるのか、書いてる本人もよくわかっていない。多分暇なんだと思う

自粛中でちょっと時間のある皆さんのおうち時間の足しとして、私の独断と偏見に満ちた彼ら4人の紹介を聞いてほしい。

読む前の注意

・紹介内容は筆者の『超』主観である。異論は認める。

・細かいセリフ、描写、制服の間違いなどあり 見逃して…

ちなみにこの記事は、4000字ほど書いた後手違いですべて消えた状態から再度書き直している。正直心が折れてやめようと思ったはずなのに、なぜか今PCの前でまたキーボードを叩いている。自分の行動力に戸惑いを感じざるを得ない。

(noteさん下書きバージョン管理機能とかつけてくれませんかね…)


ダーク・キングダム四天王とは

初代セーラームーンアニメの無印版においての敵組織とその幹部らのことを指す。

彼らの目的は主に①人間から大量のエナジーを集めること ②幻の銀水晶を手に入れること ③セーラームーンを倒すことの3つである。

組織を統括するのはダーク・キングダムの女王クイン・ベリル。四天王はその配下につき、妖魔を使役しながらこれらの目的を達成するべく奮闘するのがこの作品の役割だ。彼らは各々の信念とやり方を駆使して戦う。本紹介では、その目的と戦い方を中心に紹介していく。


ジェダイト

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彼はセーラームーンに登場する最初の刺客である。

セーラームーンが覚醒する前の登場となるため、彼の基本的な行動目的は「大量のエナジー集め」である。セーラームーンの情報が全く皆無の状況で戦うこととなり、後に登場する3人よりも何かと不利な立ち位置でジェダイトの戦いは始まる。

しかし彼は決してめげることなく、クイン・ベリルの指示を忠実に実行しようとする。なぜならジェダイトの武器は真面目さと勤勉さであるからだ。
それを象徴するのが彼が立てる作戦だ。多少の違いはあれど、だいたい以下の手順でエナジー集めが行われる。


(1)人が集まりそうな店を起業・もしくは既存の店舗を乗っ取る
(2)店が評判となる
(3)集まった大勢の人間からエナジーを吸い取る


そう、彼はエナジー集めのために起業をしてしまうのだ。


彼が起こした事業は占いハウス、時計屋、ペットショップ、ジム、塾など多岐にわたる。なんというガッツ。いやしらんけど、ダーク・キングダムの巨大な力をもってすれば起業なんて容易いことかもしらんけど。

彼の真面目さ、勤勉さはそれだけにとどまらず、なんとジェダイト自身が現場で働きはじめてしまう。あなた四天王だよね?妖魔に任せりゃいいじゃん?

例えば第3話「謎のねむり病、守れ乙女の恋する心」では、彼はラジオ局の深夜放送を一部乗っ取り、自らがラジオパーソナリティ「J・ダイトー」なって放送を行う。しかも毎日。

四天王自ら毎夜ラジオトークを展開し、手紙が読まれたリスナーにフラワーブローチ(これがエナジーを回収する)を発送する。(プレゼント発送は妖魔が行った可能性があるが、真面目な彼ならやりかねない

さらに第4話「うさぎが教えます!スリムになる法」ではジムのインストラクターとして、ジェダイトが直々にうさぎたちの運動のサポートを行う。エナジーの回収は運動後に入る特殊なマシンで行うのだが、そのマシンだけじゃだめなの?

そんなちょっとピントのずれた努力を必死に行うジェダイト様であったが、最初の刺客の割に後半はセーラームーンの正体を暴き、それなりに活躍はしていたと思われる。しかし、上司へのネマワシは下手だったようで、最期はクイン・ベリルに「こいつ、あんまり成果ださねーな」とあっさりクビを切られる(永遠の眠りにつく)こととなった。

どんなに努力していたとしても、上司へのアピールが足りなければ報われることはない、という日本起業の悲しい性を目の当たりにしてしまった。女児向けアニメで。


ネフライト

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ジェダイト亡き後、次に登場したのがネフライトである。彼は、四天王の中で最も有能で、公式に最も優遇された男である。その理由に触れつつ、彼を紹介していこう。

まず登場してすぐ、ジェダイト様の作戦を「効率が悪すぎる」と一蹴する。ネフライトがエナジー集めのために行う作戦は以下の通りである。


(1)独自の占星術によってターゲットを一人に絞る

(2)ターゲットの持ち物などに妖魔を放ち、ターゲットのエナジーレベルを増幅させる

(3)エナジーが最高潮になったときに回収。妖魔と化したターゲットがセーラームーンを攻撃する


ネフライトが動くのは(1)の妖魔を放つタイミングのみで、あとは妖魔の働きを監視していればよい。とりあえず大人数集めてエナジー吸い取るぞ!というジェダイトの単純な作戦と対象的に、効率的かつ効果的に大量のエナジーが回収できる作戦である。うん、ジェダイト様、これは反論できない。

彼がすごいのはその作戦だけではない。以後使用し続けられる、幻の銀水晶をさがすための「黒水晶」を自ら生成する。格闘・剣術に優れ、手で触れるだけでエナジーを抜き取るほど魔力も高い。配下の妖魔も強力なものが多く、セーラームーンが窮地に立たされるシーンもしばしばあった。

さらに、上司であるクイン・ベリルに対し、「俺のやり方に口を出すな」と、四天王の中で唯一逆らうシーンがあるほど、自分の仕事に誇りを持つ人物である。そんな彼に、クイン・ベリルも(多分イラッとはしてると思うんだけど)結局自ら手を下すことはなかった。ダーク・キングダムは成果主義らしい。

これだけでも十分優遇されているネフライトだが、最大の優遇ポイントはその有能さではない。


普通の人間「大阪なる」との恋愛要素である。


これだけ有能だったネフライトがなぜ退場せざるを得なかったか。正直、四天王の中でもセーラームーンを倒せる最有力候補だったはずである。その退場の理由が、大阪なるを愛してしまったためなのだ。

誘拐された彼女を助け、かばい、やっと二人が打ち解けた後、消滅していくシーンは涙なしには見られない。作画のクオリティも高く、スタッフの力の入れようが伺える。特にネフライトの表情は必見である。未見の人は是非見てほしい。

ちなみにこの恋愛要素、まさかのアニメオリジナル展開である。原作にない話を入れてまで、なぜここまでネフライトを持ち上げたのか…!?とにかく謎である。

その後、アニオリ展開の煽りなのか、なるちゃんは割とあっさり同級生の海野ぐりおに乗り換えたため、私はどうしても心の中でなるちゃんを許せないままでいる。いや、なるちゃんが、ぐりおが悪いんじゃない。わかってる。でもさ…あの展開、5年はひきずるぞ…


ゾイサイト

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私が最も力を入れて紹介したネフライトを殺ったのがゾイサイトである

彼は割と四天王の中でも悪役らしく、卑怯な手を使うシーンが多い。ネフライトの有能さに嫉妬し、彼が活躍している間もちょいちょい茶々を入れていた。あまりに茶々をいれすぎて本業の幻の銀水晶探しがおろそかになり、クイン・ベリルに「お前仕事しろ」と怒られている。

原作にはないオネエ設定があり、この後紹介する最後の四天王「クンツァイト」が彼氏である。ゾイサイトの度を超えた心酔ぶりに、「これは絶対に利用されている」と確信していたが、最後、ゾイサイトを優しく看取ったのはクンツァイトだった。邪推してごめん。

(どうでもいいが、ネフライトの同士討ちといい、他の四天王と積極的に関わりにいくのはゾイサイトだけだった)

彼の主な目的は「幻の銀水晶を探すこと」であり、幻の銀水晶の元となる虹水晶を持つ最強妖魔の生まれ変わりを探し、そいつらを覚醒させて虹水晶を奪っていく。

主な作戦は闇討ちや騙し討ちであり、まさにTHE悪役という形で振る舞ってくれたので正直あまり取り上げる要素がない。が、その非情さと裏腹にギャグ要員的な役割も果たしているのが大きな特徴である。

第31話「恋されて追われて!ルナの最悪の日」では、虹水晶をもったターゲットを追っているうちに下水道に迷い込み、大量のネズミに覆われたほぼ原型を留めない衝撃的な姿で登場する。デフォルメされてはいるものの、あれがすべてうごめくネズミかと思うとかなりの不気味さだった。

一連のシーンはなかなかシュールで、子どもながらにもあまりに衝撃的だったのか、唯一この回だけ妙に記憶にこびりついていた。

ゾイサイトだけでなく、なんとなく全体のテンポやキャラクターの言動・動向が独特だなあと当時から思っていたのだが、後からこの回はあの少女革命ウテナで有名な幾原俊彦監督が演出を努めた回と知ってめちゃくちゃ興奮した(筆者は幾原監督作品ファン)。

ゾイサイトは幾原監督のギャグセンスの犠牲となったのだ(褒めてる)。

この回はいい意味でセーラームーンらしくないお話で、一見の価値ありだ。要所要所に幾原監督らしさを感じる。ウテナの七海様ギャグ回が好きな人はきっと好き。


クンツァイト

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最後の四天王、クンツァイトである。そのルックスは最後の刺客らしく、褐色・はだける制服・ブーツなし・マントとこれでもかと他メンバーとの違いを見せており、その姿はスポーツカーのボンネットに半裸で乗って爆走するどこぞのラスボスを彷彿させる(またしてもウテナネタで申し訳ない)。

これだけ最強感を醸し出す最後の刺客、さぞすごい男でとんでもない作戦をお持ちなのだろうと、私は期待に胸膨らませた。


しかし彼は四天王の中で最もポンコツな刺客だった。


彼のポンコツさがわかるその作戦の一部をご覧いただこう。

(前提:彼の目的は「幻の銀水晶を手に入れたセーラームーンの正体を暴き、銀水晶を奪った後始末する」というものである。)

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【作戦1】美容室の主人を妖魔に変え、セーラームーンの髪の毛と同じ客が来るまで延々と待つ。来たら銀水晶を奪う。

【作戦2】「スキーを美しく華麗に滑ったものがムーンプリンセスの称号が与えられる」というスキーコンテストを企画し、「ミーハーなセーラームーンならきっと参加してくる!」と参加を待つ

【作戦3】有名フィギュアスケートペアを妖魔に変え、「彼らにコーチしてもらえるよ!」という告知を出し、またも参加を待つ。そして、参加者のスケートの滑りをすべてチェックし、セーラームーンを当てる。

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すべて運良く(ご都合主義で)セーラー戦士たちが参加してくれるから良かったものの、ジェダイト様がかすむレベルの効率の悪さである。しかも作戦はすべて失敗し、彼がセーラームーンの正体を知ることは終ぞ無かった。序盤のジェダイト、ネフライトが正体を暴いていたにも関わらず、である。

最期はセーラー戦士たちを陥れるための罠をはるが、結果的にセーラー戦士たちの前世の記憶を思い出させるきっかけとなってしまい、覚醒したセーラームーンに倒されるという、最後まで残念な終わり方だった。

ボロクソに言ったものの、この見た目とギャップのありすぎるポンコツ加減があまりに面白かったため、私は今こうしてこの文章を書いている。ここまで私を突き動かした最後のきっかけはクンツァイトだった。ありがとうクンツァイト様。


今見ても面白いセーラームーン無印

放送当時はまだ小さかったため、当時はセーラームーンきれいかわいいくらいしか記憶に残っていなかったが、キャラクターは可愛くて見てて楽しいし、メインストーリーは原作同様ヘビーな展開で、なかなか見ごたえのある良い作品だと感じた。おジャ魔女どれみもナージャも見直したけど、東映アニメってすごいアニメ多かったんだなあ。

無印はあと2話で観終わってしまうのでさみしい。dアニメストアではTV版の続編以降は配信していないらしい(劇場版はあるけど)。dアニメストアさん、これからも課金するので、全話配信してくれませんかね…。

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