イスラエルに圧力高まる「ICJ判決に従うべきだ」 欧州各国の外相ら次々〜すべてがNになる〜

2024年5月28日【国際】

 国際司法裁判所(ICJ)が24日、イスラエルに対してガザ南部ラファへの攻撃をただちに停止するよう命じた後にもイスラエル軍の攻撃が続いていることに関し、欧州の外相らからイスラエルが判決に従うよう求める圧力が高まっています。欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)は26日の記者会見で、イスラエル軍の攻撃継続は「裁判所の判断に反している」と批判しました。

 ボレル氏は、判決がラファの検問所を開放し人道支援を可能にするよう命じていることを念頭に「検問所はいまだ閉鎖され、人道物資を搬入できないままだ」と指摘。判決には法的拘束力があるとして、イスラエルは従うべきだと述べました。

 他方、ヨルダン川西岸でも「前例のないイスラエル入植地の拡大と土地の強奪」による暴力が激化していることを「忘れてはならない」と主張。26日にイスラエルに対しイスラム組織ハマスが行った攻撃についても「やめなければならない」と述べ、即時停戦、人質の無条件解放、ガザでの壊滅的な人道状況の改善のために国際社会が力を尽くすよう呼びかけました。

 28日にパレスチナを国家として承認する予定のスペインをはじめ、ベルギー、アイルランドからもイスラエルに対し、ICJの判決に従うよう求める声が相次いでいます。

 スペインのディアス副首相兼労働相は、イスラエルが攻撃を継続していることについて「パレスチナの市民への攻撃に加え、国際法やルールに基づく世界秩序の実現可能性を攻撃している。ジェノサイド(集団殺害)を止めなければならない」と、X(旧ツイッター)に投稿しました。

 ベルギーのラビブ外相はXで「ICJの判決の即時履行を求める。ガザにおける暴力と人的被害は止めなければならない」と強調。アイルランドのマーティン外相は24日の声明で、判決は「極めて明確」で「命令を無視することはできない」と述べています。

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