イスラエルが“最悪の拷問”殴打受け指を骨折、頭から流血 解放のシファ病院院長証言〜すべてがNになる〜

2024年7月3日【国際】

 【カイロ=秋山豊】イスラエルは1日、パレスチナ・ガザ地区最大の医療施設シファ病院のムハンマド・アブサルミヤ院長を解放しました。同氏は同日、本紙の取材に応じ、獄中で拷問を受けていたと語りました。

 アブサルミヤ氏は昨年11月にイスラエル軍がシファ病院を襲撃した際に拘束されて7カ月以上捕らわれていました。

 イスラエル軍はアブサルミヤ氏がイスラム組織ハマスにシファ病院を拠点として使わせたとして、同氏を拘束。同国の情報機関シンベトが尋問するために連行しました。ハマスはイスラエル側の主張を否定していました。

 アブサルミヤ氏は「(イスラエルに捕らわれているパレスチナ人の)収監者は経験のない悲惨な状況に置かれている。朝も夜も殴られ、食事はまともに与えられない。みんな30キロは体重が減っている。私はひどい殴打を受けて指を骨折した。頭を殴られて流血した」と語りました。

 アブサルミヤ氏は「最悪の拷問を受けている仲間たちを刑務所に残してきた。イスラエルの刑務所内で亡くなった人々もいる」と語りました。

 現地からの報道によると、イスラエルは1日、アブサルミヤ氏らパレスチナ人の収監者55人を解放しました。うち5人はガザ中部デイルバラのアルアクサ殉教者病院に、ほかは南部ハンユニスのナセル病院に搬送されました。

 イスラエルのメディア、タイムズ・オブ・イスラエルによると、シンベトは同国の刑務所がいっぱいとなり、空きがなくなったために収監者をガザに戻したと述べています。

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