雨の中　こちら側にて

降水確率１００％。
天気予報を確認したらそう表示されていた。
８０％、９０％などではなく、完全なる１００％。
今日は一日ずっと雨ということだ。
潔い。

本当に雨は一日降り続けた。
外は暗いし家の中に陽射しが入ってこないから、珍しく家の中がしんと寒かった。
雨の日に家にいると、閉じこもった世界に入り込んだ気分になる。
外と中との境界がよりはっきりとしており、向こう側とあちら側、こことあっち、別世界だ。

外の世界を眺めていると、雨粒に混じって葉っぱも落ちていく。
雨に濡れているからはらはらと舞うことはなく、ぼとり、ぼとりと落下していく。

その間を縫うように、枝から枝へと飛び回る鳥たちが今日は随分と多くやってきた。
雨降る中、羽を休めるのに格好の場所らしく、楽しげにピーピーと鳴く。
とてもかしましくて、木々に彩られた外の世界は、雨や靄に隠れてぼやけていても、輝くように美しかった。

閉じこもった中にいると大きな変化はない。
静かに、静かに、日常が回っていく。

この静けさの中で、自分が何をしたいのか考えるのだが、心は『何もしたくない』と言う。
どうやら自分に必要なのは休息で、今日の雨は私にとってちょうどよかったみたいだ。