治療するときに大切なこと。

さてさて、かなり久しぶりの投稿となってしまいました。

コロナで世間が騒いでいて、自粛生活を余儀なくされるときに

スマホ、PCが同時に不調になると半端なく生活が滞りますね・・・。

早く収まってくれ!


症例を通して、治療に関して書いていきたいと思います。

モビライゼーションの意味。。。についてかな。

朝目覚めた時、慢性的に左側の側頭部、頸部にかけて重たい感じがするという30代男性。日中もたまに重たい感覚に襲われる。…とのこと。

さて、評価し治療をしていく訳ですが、その前に。

徒手療法を扱うセラピストとして気を付けたいリスク管理ですが、起床時の頭部の不快感は脳圧の亢進が関係していると言われており、脳腫瘍などの恐ろしい病気が隠れている可能性もゼロではありません。

臨床では、

①頸部屈曲テスト                          背臥位から頭部を持ち上げて頸椎を屈曲させていく。これで頭痛が悪化すると陽性。また患者さんに自動で頸部回旋、側屈をしてもらって頭痛が悪化しても脳圧亢進が考えられます。

②ラセーグ兆候                         

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SLRの要領で70°ほど屈曲して、疼痛なら陽性


③ケルニッヒ兆候  

    

画像2

股・膝関節を屈曲90°が開始肢位、ゆっくりと膝を伸展していき痛みが出ると陽性。

https://www.kango-roo.com/learning/2427/ より引用

最低この3つのテストはしましょう。

ちなみに突発的に超絶悶絶級の頭痛は、硬膜下血種。その後、麻痺や失語症なんかの症状を伴っている場合は、慢性硬膜下血種ということもあります。その辺の所見を見逃さずに必要であれば脳神経外科への受診をすすめましょう。

*ちなみにこの男性は既に脳外受診をしており、異常所見は見当たらなかったようです。

それでは、評価とアプローチといきます。

先ず、気になったのは頭部の前方突出(Head forward)です。

姿勢を診ればアプローチするべきところはいくらでもありますが、優先順位を付けるのが中々難しいところですね。頸部に至っては、いきなり触られるのに抵抗を感じる患者さんもいらっしゃいますが、本人の希望もあり最初に触らせていただきました。

①頸椎のモーションパルペーション

頸椎の可動性検査の一つです。Head forwardでは、上部頸椎の伸展、下位頸椎屈曲を示します。

モーションパルペーションでは、頭部からの軸圧(運動軸)を崩さないようにしながら椎体を1つずつ可動性を診ていきます。ここで動きを確認したい椎体への軸圧が抜けてしまうと惰性で動いてしまったり、代償が生じてしまうこともあります。

患者さんは背臥位のまま、頭側から横突起に指を当てつつ、下位頸椎の前方すべりの可動性を診るとやはり制限が強いし、関節の遊びが少ない。頸椎の3-4-5番は椎体や棘突起が他の部位に比べると小さいので触診が難しいですがしっかりと、横突起にコンタクトしましょう。

屈曲・伸展をみたら、次は側屈と回旋も確認します。

頸椎は回旋運動の際に、側屈と回旋が同側に動きます。

この運動学的な法則から逸脱している関節を治療対象とするわけですね。


さあ、制限部位が見つかったということで一気にゴリゴリとモビライゼーション!バキッとスラスト!

・・・をするというわけではありません。私見にはなりますが、頸椎へのモビライゼーションのみ実施したところであまり効果がでません。というか、再発して再来院されるパターンが多い気がします。

どこかの論文でも、モビライ+運動療法の方が、モビライ単独よりも効果的であったという報告をみた気がしますしね。

ではモビライゼーションに意味が無いのか?

決してそういうわけではありません。

骨に触れて、関節を動かしているわけですが、

関節包内運動、転がり滑りだけを見ているのではありません。

(*この動きを感じ取るのも大変ですし、大切です)


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http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/myologia/A04_2.htmlより引用

これは頸部の筋肉を示した解剖図です。頸椎に直接付着している筋肉もあれば、付着は無くても間接的に頸椎の関節運動に働きかけるものもあります。

これらの筋肉が頸椎を動かしているときにどのような反応を示しているのかを椎体にコンタクトした指を通じて感じ取っていただきたいわけです。

理学療法士的な言い方をすれば、エンドフィールを感じ取れというやつですが運動最終域といった話ではありません。また、コンタクトした骨組織の周辺に限った反応でもありません。

反応と書くとわかりにくいですが、僕の感覚としては引っ張られる感じですね。

イメージとしては、椎体を右側に回旋側屈したいのに

斜角筋や第4・5肋骨のあたりから下方へ引っ張られる感覚を

自身の身体で感じ取ると。

といったところでしょうか。

読まれる方の中では、なに言ってんだコイツ?と思われるかもしれません。

ただオステオパシーの哲学に則って身体にアプローチをするとはこういうことなのかなと思います。

結局、この方に関しては、第5頸椎から第7頸椎にかけてを

斜角筋と肋骨が一番引っ張らないポジションを取り続けることで

緊張が落ちて、痛みも激減しました。

一つのコンタクトで広い上げる情報量が多いほど治療の精度が増すということでしょうか。

なるほど~くらいで読んでいただければ幸いです。

相変わらず読みにくい文章かな。文章構成の勉強もしなくては!





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